「取手市の人口は減っている」と聞いたことがある方は多いと思います。では、いつをピークに、どれくらいのペースで減っているのでしょうか。そして地価はどう動いてきたのでしょうか。実は、両者は連動しているようで完全には連動していません。取手市はバブル期に地価が跳ね上がり、人口減少が始まった今もなお、駅によっては地価が上昇しています。この記事では、国勢調査・住民基本台帳・公示地価という一次データを1970年代からたどり、取手市の「今の立ち位置」を数字で確認していきます。

取手市の人口推移を長期で見る

1970年代の急増から1995年ピークまで

取手市の人口は、1950年時点ではわずか32,699人でした。ここから東京都市圏の拡大に伴う宅地開発の波が押し寄せ、1965年の39,181人から1970年には56,596人へと、わずか5年で1.4倍以上に膨れ上がっています。増加率は同時期の全国平均5.2%に対し44.4%という突出した数値で、当時の取手市が首都圏のベッドタウンとして急速に開発されていたことがわかります。

その後も1970年代から1980年代にかけて人口増加は続き、1972年に6万人、1978年に8万人、1981年に10万人を突破しました。増加のペースはやがて落ち着くものの、1995年に118,282人でピークを迎えます。1950年から1995年までの45年間で、人口は実に3.6倍になった計算です。

1995年をピークに減少局面へ

1995年をピークに、取手市の人口は減少に転じました。国勢調査の結果を見ると次のとおりです。

  • 2000年:115,993人(ピーク比-2,289人)
  • 2005年:111,327人
  • 2010年:109,651人
  • 2015年:106,570人
  • 2020年:104,524人(ピーク比-13,758人)

直近では、住民基本台帳ベースで令和8年(2026年)1月時点の総人口は105,872人、世帯数は52,077世帯です(取手市「令和7年 人口の推移」)。国勢調査人口と住民基本台帳人口は集計方法が異なるため単純比較はできませんが、いずれの統計でも減少基調にあることは共通しています。

取手市 人口 地価 推移housedo.life
取手市の人口推移(国勢調査ベース)1970〜2025年

なぜ1995年がピークだったのか

1995年前後を境に人口が減少に転じた背景には、都心回帰の流れがあります。バブル崩壊後、都心部のマンション価格が下落したことで、郊外に住宅を求める必要性が薄れました。加えて、1970年代から80年代にかけて一斉に開発された住宅団地(新取手・ゆめみ野・戸頭など)の入居世帯が同時に高齢化し、世帯としての新陳代謝が進みにくくなったことも一因と考えられます。つまり取手市の人口減少は、一時の流行というより「約20〜30年前に一斉入居した世帯が、今まとまって高齢期を迎えている」という構造的な要因が大きいということです。

年齢構成の変化

県統計課「市町村のデータ(取手市)」(令和8年4月1日時点)によれば、取手市の常住人口は103,468人、世帯数は49,340世帯で、高齢化率(65歳以上人口の割合)は35.1%、15歳未満人口の割合は9.4%となっています。出生数444人に対して死亡数1,521人(令和6年)と、自然減が年間1,000人を超える規模で進行している点も見逃せません。

年少人口(15歳未満)・生産年齢人口(15〜64歳)・老年人口(65歳以上)の構成比が大きく変わった具体例として、取手市が公表した公共施設等総合管理計画の資料では、白山地域の平成12年から平成27年にかけての人口増減が示されています。同資料によると、白山地域では老年人口が1,403人から2,504人へ+78%増加した一方、生産年齢人口は7,418人から5,702人へ-23%、年少人口は1,390人から877人へ-37%減少しています。地域単位で見ると、取手市内でも高齢化の進み方に濃淡があることがわかります。

地区別・駅別の人口動態

取手市内の8駅と地区構成

取手市内には、JR常磐線の取手駅・藤代駅と、関東鉄道常総線の西取手駅・寺原駅・新取手駅・ゆめみ野駅・稲戸井駅・戸頭駅の合計8駅があります。つくばエクスプレス(TX)は取手市内を通っていません。市の中心市街地は取手駅周辺(取手・新町・台宿など)、常総線沿線には新取手・ゆめみ野・戸頭といった昭和期に開発された大規模住宅団地が広がっています。

取手市が公表する「地区別人口と年齢別人口」(年4回更新)では、地区ごとの人口・世帯数・年齢構成を細かく確認できます。旧取手市エリアと旧藤代町エリアでも人口動態の傾向は異なり、Wikipediaが総務省統計局の国勢調査データを基に整理した表によれば、1950年から2020年にかけての増加率は旧取手市エリアの方が旧藤代町エリアより一貫して高い水準で推移してきました(1970年時点の増加率は旧取手市53.9%に対し旧藤代町25.4%)。これは、取手駅に近い旧取手市エリアの方が早くから宅地化が進んだことを反映しています。

戸頭・ゆめみ野など常総線沿線団地の動き

戸頭・ゆめみ野・新取手といった常総線沿線の住宅団地は、1970〜80年代の人口急増を牽引したエリアです。当時30代だった入居世帯が現在70〜80代を迎えており、今後は「相続」を機に不動産が動く局面が増えていくと見込まれます。戸頭エリアの詳しい住みやすさやアクセス事情は、別記事「取手市 戸頭エリアの住みやすさ」でも解説していますので、あわせてご覧ください。

取手市の地価の推移

公示地価はバブル期をピークに大きく下落し、近年は底打ち

取手市の地価は、人口動態よりもさらに大きな振れ幅で推移してきました。民間の地価データベースtochidai.infoが公開する「取手市の地価 過去の推移」(国交省地価公示データに基づく集計)によると、公示地価平均(坪単価)は次のように動いています。

  • 1983年(昭和58年):坪31万9,520円
  • 1988年(昭和63年):坪39万0,720円(前年比+13.34%)
  • 1990年(平成2年):坪54万7,461円(前年比+16.22%)
  • 1991年(平成3年):坪62万7,709円(前年比+11.17%、バブル期のピーク)
  • 1996年(平成8年):坪48万3,440円(前年比-7.43%)
  • 1999年(平成11年):坪36万円台まで下落

1991年のピークから1999年までの8年間で、坪単価は半値近くまで下落したことになります。その後も下落基調は2010年代まで続き、近年ようやく下げ止まりから小幅な上昇に転じています。

2026年(令和8年)公示地価は坪16万2,634円・4年連続の上昇局面

国土交通省の地価公示によると、2026年(令和8年)の取手市の公示地価平均は49,196円/m2(坪16万2,634円)、前年比+0.98%です(うち住宅地は46,453円/m2、+0.97%)。ピークだった1991年の坪62万7,709円と比較すると、現在の水準はおよそ4分の1にとどまりますが、2024年以降は3年連続でプラスに転じています。バブル崩壊後30年以上続いた下落トレンドが、ようやく底を打ったと見てよい状況です。

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取手市の公示地価(坪単価)の推移 1983〜2025年

駅別に見ると地価の差は2倍以上

同じ取手市内でも、駅によって地価の水準は大きく異なります。tochidai.infoが公示地価・基準地価データから算出した「取手市の駅地価ランキング」(2026年)は次のとおりです。

  • 1位 取手駅:6万4,142円/m2(坪21万2,042円)、前年比+1.55%
  • 2位 寺原駅:5万6,500円/m2(坪18万6,776円)、前年比+0.44%
  • 3位 戸頭駅:5万5,233円/m2(坪18万2,589円)、前年比+3.77%(8駅中もっとも上昇率が高い)
  • 4位 西取手駅:4万9,800円/m2(坪16万4,628円)、前年比+1.23%
  • 5位 藤代駅:3万8,037円/m2(坪12万5,743円)、前年比+0.47%
  • 6位 稲戸井駅:3万4,866円/m2(坪11万5,261円)、前年比+0.52%
  • 7位 新取手駅:3万0,250円/m2(坪9万9,999円)、前年比+0.68%
  • 8位 ゆめみ野駅:2万7,050円/m2(坪8万9,421円)、前年比-0.75%(8駅中唯一の下落)

もっとも地価水準が高い取手駅圏と、もっとも低いゆめみ野駅圏では、坪単価に2倍以上の開きがあります。一方で上昇率で見ると、坪単価そのものは中位の戸頭駅が+3.77%ともっとも高い伸びを示しており、「地価が高いエリアほど値上がりしている」とは限らない点は注目に値します。なお、これらの数値は各駅を最寄りとする公示地価・基準地価地点の単純平均であり、個別の土地の実勢価格とは異なる場合があります(目安としてご覧ください)。

取手市の不動産取引価格(国交省発表、土地のみ、2025年)の平均は4万9,462円/m2・坪16万3,513円で、公示地価平均に対して+2.66%とやや高い水準です。実際の取引は公示地価をやや上回る傾向がある、という参考値として捉えてください。

人口減少・高齢化が売却市場に与える影響

人口が減り高齢化率が上がると聞くと、不動産市場にはマイナスの印象を持たれるかもしれません。しかし取手市の実際のデータを見ると、単純な「人口減少=地価下落」という図式にはなっていません。地価は2024年以降3年連続で上昇しており、戸頭駅のように人口が先に増えた団地エリアでもむしろ地価の伸び率が高いという逆の動きも見られます。

背景として考えられるのは次の3点です。第一に、東京都心まで最速で通えるJR常磐線特別快速や取手駅の利便性が評価され続けていること。第二に、1970〜80年代に大量供給された住宅ストックが更新期を迎え、建て替えや古家解体を経て新しい世帯に入れ替わる動きが生じていること。第三に、そもそも公示地価の下落局面が長く続いた結果、割安感から取引が活発化している可能性です。

一方で、高齢化率35.1%という数字が示すとおり、今後10〜20年で相続を機に売却を検討する世帯は確実に増えていきます。「昭和期に一斉入居した世帯の高齢化」は、裏を返せば「今後まとまって売却の意思決定が生まれる局面が近づいている」ことも意味します。

今後の見通し(とりで未来創造プラン2024)

取手市が策定した基本計画「とりで未来創造プラン2024」では、少子高齢化の進展により人口が減少することが見込まれる一方、各種施策の展開により2040年で9万人を維持することを目標として掲げています。実績値・推計値を令和元年から令和22年(2040年)まで示したうえで、特に生産年齢人口や年少人口の確保を目標とする方針が示されています。市としても、人口減少を前提としつつ、その速度を緩やかにする施策に力を入れている段階です。

取手市で家を売る・持ち続けるときに知っておきたいこと

人口動態や地価の長期トレンドを踏まえると、取手市で不動産を「いつ売るか」「持ち続けるか」を考えるうえで、次のような視点が参考になります。

  • 駅からの距離と駅ごとの地価水準を把握する:取手駅圏と郊外駅圏では坪単価に2倍以上の差があります。同じ取手市内でも、立地によって査定額の前提は大きく変わります。
  • 上昇率と絶対水準は別の指標として見る:戸頭駅のように上昇率が高いエリアもあれば、ゆめみ野駅のように下落しているエリアもあります。ご自宅がどちらの傾向にあるかは、実際の査定で確認するのが確実です。
  • 高齢化率の高さは「今後の売却需要の高まり」でもある:昭和期の一斉入居世帯の高齢化は、相続や住み替えを機とした売却が今後増えていくことを示しています。早めに相場観を持っておくことで、いざという時の判断がしやすくなります。

もちろん、地価の目安値はあくまで市区町村・駅単位の平均であり、実際の売却価格は土地の形状や接道状況、建物の状態によって変わります。正確な金額を知るには、一次情報の相場観を踏まえたうえで、取手市の不動産売却・買取に詳しいハウスドゥ取手戸頭店のような地域の取引実態に詳しい不動産会社に個別に査定を依頼することをおすすめします。

よくある質問

Q1. 取手市の人口はいつがピークでしたか?

国勢調査ベースでは1995年(平成7年)の118,282人がピークです。それ以前の1970年代から急速な人口増加が続いていましたが、1995年を境に減少局面に転じました。

Q2. 取手市の人口は現在何人ですか?

住民基本台帳人口では、令和8年(2026年)1月1日時点で105,872人、世帯数52,077世帯です(取手市「令和7年 人口の推移」)。県統計課の常住人口調査(令和8年4月1日時点)では103,468人・49,340世帯となっています。

Q3. 取手市の人口減少の主な原因は何ですか?

1970〜80年代に一斉入居した住宅団地世帯の高齢化と、出生数の減少(自然減)が主な要因です。令和6年の出生数444人に対し死亡数は1,521人で、自然減が年間1,000人を超えて進行しています。都心回帰の流れで新規流入が鈍化したことも影響しています。

Q4. 取手市の地価は今後も上がりますか?

2026年の公示地価は前年比+0.98%と4年連続の上昇局面にありますが、将来の地価動向を確実に予測することはできません。1991年のバブル期をピークに約30年間下落が続いたのち、近年ようやく底打ちから小幅な上昇に転じたという長期トレンドとして捉えるのが実態に近いといえます。

Q5. 取手市内で地価が一番高いのはどの駅ですか?

2026年時点のデータでは取手駅が坪21万2,042円でもっとも高く、次いで寺原駅、戸頭駅と続きます。もっとも低いのはゆめみ野駅の坪8万9,421円です(tochidai.info集計、公示地価・基準地価に基づく目安値)。

Q6. 取手市の将来人口はどうなる見通しですか?

取手市の基本計画「とりで未来創造プラン2024」では、人口減少が見込まれる中でも各種施策により2040年時点で9万人を維持することを目標としています。あくまで市の政策目標であり、確定した予測ではありません。

Q7. 戸頭やゆめみ野など常総線沿線の地価はどう推移していますか?

2026年データでは、戸頭駅は坪18万2,589円で前年比+3.77%と8駅中もっとも高い上昇率を示しています。一方ゆめみ野駅は坪8万9,421円で前年比-0.75%と8駅中唯一の下落となっており、同じ常総線沿線でも駅によって動きが異なります。

まとめ

取手市の人口は1995年の118,282人をピークに減少局面が続いており、2026年時点の住民基本台帳人口は105,872人です。一方で地価は、1991年のバブル期をピークに約30年下落したのち、2024年以降は3年連続で上昇に転じています。人口減少と地価上昇が同時に進むという一見矛盾した動きの背景には、駅ごとの利便性の違いや住宅ストックの更新期という要因があります。ご自宅の立地がどの駅・エリアに該当するかによって、査定額の前提は大きく変わります。まずは取手市の実際の取引データを踏まえた無料査定で、現在の相場観を確認してみませんか。

取手市の住みやすさ全般については「取手市の住みやすさ徹底ガイド|交通・子育て・地価【2026】」、戸頭エリアに特化した内容は「取手市 戸頭エリアの住みやすさ」、子育て・教育制度は「取手市の子育て・教育ガイド」、防災・ハザードマップは「取手市の防災・ハザードマップ」でそれぞれ詳しく解説しています。あわせてご覧ください。