抵当権の順位とは、同じ不動産に複数の抵当権が設定されているとき、どの抵当権者が先にお金を回収できるかを決める順番のことです。順位は「登記をした順番」で決まり、1番抵当権、2番抵当権のように数字が小さいほど優先されます。住宅ローンのあとにリフォームローンや事業資金の借入れで2番目の抵当権が付いている場合、不動産を売却するときには、この順位が大きな意味を持ちます。
この記事では、取手市で不動産の売却や相続をお考えの方に向けて、抵当権の順位の決まり方、順位の変更・譲渡・放棄の違い、同順位の考え方、配当の計算例、売却時の注意点までを順番に解説します。専門用語はできるだけ言い換えています。
抵当権の順位とは?意味と基本ルール
順位は「登記した順番」で決まる
同じ不動産に複数の抵当権が設定されたとき、その順位は登記の前後によって決まります(民法373条)。契約書の日付ではなく、法務局で登記がされた順番が基準です。登記簿では、権利部の乙区(所有権以外の権利に関する事項)に「順位番号」として記録され、この番号が小さいほど先順位となります。
抵当権の基本は、まず「抵当権とは」で確認
抵当権そのものの仕組み(お金を貸した側が不動産を担保にとる権利)は、抵当権とは?意味・設定費用・住宅ローンとの関係と売却前の抹消ポイントで詳しく解説しています。本記事では、そのうち「順位」に絞って掘り下げます。
先順位ほど有利、後順位ほどリスクが高い
不動産が競売にかけられたり売却されたりして代金が配当される場合、先順位の抵当権者から順に回収していきます。先順位の抵当権者が全額を回収したあとに残りがあって、はじめて後順位の抵当権者に配当されます。そのため、後順位になるほど回収できない可能性が高まります。
抵当権の順位の確認方法|登記簿の見方
順位番号は乙区に記録されている
抵当権の順位は、法務局で取得できる登記事項証明書(登記簿謄本)の乙区で確認できます。「順位番号1」「順位番号2」と並び、それぞれに「抵当権設定」と、債権額・利息・債務者・抵当権者などが記載されています。登記事項証明書の取得方法や読み方は、登記事項証明書とは?取得方法・見方・費用をご覧ください。
付記登記が付いている場合
順位の変更や、抵当権の譲渡・放棄などが登記されると、乙区に「付記1号」などの形で追記されます。たとえば「1番抵当権と2番抵当権の順位変更」のような記載があれば、元の順位から変更されていることを意味します。売却前に登記簿を確認し、変更の履歴がないかも見ておくと安心です。
抵当権の順位による配当の違い|計算の考え方
売却代金が足りないとき、順位で結果が変わる
不動産の売却代金や競売代金が、抵当権の債権額の合計に足りないとき、先順位から順に配当されます。次の図は、仮の数字を使った考え方の例です。

配当の計算例(仮の数字)
たとえば、売却代金(または競売代金)が2,000万円、1番抵当権の債権が1,500万円、2番抵当権が800万円、3番抵当権が500万円だとします。この場合、1番に1,500万円、2番に残りの500万円が配当され、3番には配当がありません。2番は300万円、3番は500万円を回収できない計算です。なお、実際の配当は手続き費用や利息・損害金などにより変わりますので、あくまで仕組みを理解するための例としてご覧ください。
先順位が消えると順位が繰り上がる
先順位の抵当権が弁済などで消えると、後順位の抵当権の順位は繰り上がります(順位上昇の原則)。たとえば1番の住宅ローンを完済して抹消登記をすると、2番だった抵当権が1番になります。完済しても抹消登記をしないと、登記簿上はそのまま残ってしまうため、抵当権抹消の手続きを忘れずに行うことが大切です。
抵当権の順位の変更とは?
順位の変更は合意と登記で成立する
抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって入れ替えることができます。ただし、その抵当権に利害関係を持つ人(たとえば抵当権を担保にしている人など)がいる場合は、その承諾が必要です(民法374条)。さらに、順位の変更は登記をしなければ効力が生じません。口約束だけでは変更できない点に注意が必要です。
順位変更の主な場面
順位の変更が行われるのは、たとえば新しい金融機関から融資を受けるとき、その金融機関が先順位になることを条件にしたい場合などです。個人の住宅の売却ではあまり多くない手続きですが、事業用の借入れや、相続で債務の整理をする場面などで見られます。
順位変更登記の費用の目安
順位変更の登記には登録免許税がかかります。目安は不動産1個につき1,000円とされていますが、取扱いは変わることがあるため、申請前に法務局や司法書士でご確認ください。司法書士に依頼する場合は、別途報酬がかかります。
抵当権の順位の譲渡・放棄とは?
順位の譲渡とは
順位の譲渡とは、先順位の抵当権者が、特定の後順位の抵当権者に対して、自分が優先して受け取れるはずの利益を譲ることです(民法376条)。譲渡を受けた後順位の抵当権者は、先に配当を受けられるようになります。
順位の放棄とは
順位の放棄とは、先順位の抵当権者が、特定の後順位の抵当権者と同じ立場になることです。放棄すると、両者の配当は債権額の割合に応じて按分されます。
変更と、譲渡・放棄の違い
順位の変更は、関係する抵当権者全員の合意で順位そのものを入れ替えるもので、変更後はすべての人との関係で新しい順位が有効になります。これに対し、譲渡・放棄は当事者の間だけで利益を調整する方法で、他の抵当権者には影響しません。違いを図にまとめました。

同順位の抵当権とは?
同じ順位番号で登記されている状態
同順位とは、複数の抵当権が同じ順位番号で登記されている状態です。同時に申請して同じ受付番号で登記された場合などに生じます。配当では、債権額の割合に応じて按分されるのが基本です。通常の住宅ローンでは珍しい形ですが、複数の金融機関が共同で融資する場合などに見られます。
根抵当権の場合の順位
根抵当権も順位の考え方は同じ
根抵当権(あらかじめ決めた上限額の範囲で、継続的な取引から生じる債務を担保する抵当権)も、順位は登記の前後で決まります。ただし、根抵当権は元本の確定前後で扱いが異なる部分があるため、個別の事案は司法書士などの専門家へ確認してください。
抵当権の順位と不動産の売却への影響
売却時には原則すべての抵当権を抹消する
不動産を売却するときは、買主へ抵当権のない状態で引き渡すのが原則です。そのため、1番だけでなく2番以降の抵当権もすべて抹消する必要があります。売却代金で1番と2番の残債をどちらも完済できれば、決済日に同時に抹消して通常どおり売却できます。
2番抵当権が付いている主なケース
住宅ローンの後に2番抵当権が付くのは、リフォームローンや教育資金、事業資金などを同じ自宅を担保に借りたケースが典型です。売却を考え始めたら、まず登記簿で順位と債権額を確認し、金融機関に残債の額を問い合わせましょう。
残債が売却額を上回るときの考え方
売却代金で全部の抵当権を外せない場合(オーバーローン)は、後順位の抵当権者の同意なしには売却が難しくなります。このようなときは、任意売却や、自己資金を足して完済する方法を検討します。オーバーローンの考え方は、オーバーローンの住み替え|売り先行と買い先行でも解説しています。
後順位の抵当権者との交渉は専門家とともに
後順位の抵当権者に抹消へ応じてもらうには、売却代金からの配当額や条件について交渉が必要になることがあります。個人で進めると難航しやすいため、不動産会社や司法書士、弁護士などの専門家を通じて進めるのが一般的です。
抵当権の登記費用の目安
設定登記は債権額に応じた登録免許税がかかる
抵当権の設定登記には、債権額に応じた登録免許税がかかります。一般には債権額の0.4%が基本とされ、一定の要件を満たす住宅用家屋には軽減措置があります。要件や適用期限は変わることがあるため、最新の取扱いは法務局や司法書士でご確認ください。
宅建試験で出る「抵当権の順位」のポイント
押さえておきたい3つの論点
宅建試験では、抵当権の順位は主に「登記の前後で決まる」「順位の変更には全員の合意と登記が必要」「先順位の抵当権が消えれば後順位が繰り上がる」という点が問われることがあります。実務でも同じ考え方が土台になります。
取手市で抵当権が付いた不動産を売るときの流れ
ステップ1:登記簿で順位と債権額を確認
まず登記事項証明書で、抵当権の数・順位・債権額を確認します。2番以降の抵当権が付いている場合は、早めに把握しておくことが重要です。
ステップ2:金融機関へ残債と抹消の手続きを確認
各抵当権者(金融機関など)へ、現在の残債と、完済時の抹消書類の受け取り方法を確認します。抹消手続きについては抵当権抹消手続きの必要書類・費用・自分でできる方法もご参照ください。
ステップ3:売却方法を決める
売却代金で抵当権をすべて外せるかを査定でシミュレーションし、仲介で市場に出すか、買取で早期に現金化するかを検討します。取手市の不動産売却で、住宅ローンが残っている場合や、2番抵当権が付いている場合も、ご状況に合わせて進め方をご提案できます。
ステップ4:決済日に売却代金で完済し、同時に抹消
決済当日に、買主から受け取った代金で各抵当権者へ完済し、司法書士が抵当権の抹消登記を同時に申請します。このとき、後順位から先に抹消することはなく、同日に一括で手続きします。
債権者から見た抵当権の順位と「実行」の概要
抵当権の順位は、お金を貸した債権者にとって、貸したお金を確保できるかどうかを左右する重要な基準です。債務者が返済できなくなると、債権者は抵当権の実行(裁判所に競売を申し立てる手続き)によって、土地や建物の売却代金から回収を図ります。この仕組みを知っておくと、順位が重要な理由が理解しやすくなります。
抵当権の実行の概要
抵当権の実行では、競売で不動産が売却され、その代金が順位に従って債権者へ配当されます。実行は先順位の債権者だけでなく、後順位の債権者も申し立てることができます。競売で売却されると、その不動産に付いていた抵当権は原則としてすべて消えるため、後順位の債権者は配当が足りなければ、残りの債権を回収できなくなるおそれがあります。
土地と建物の両方に抵当権が付くケース
住宅ローンでは、土地と建物の両方に抵当権を設定する「共同抵当」が多く、登記簿には共同担保目録が付きます。土地と建物で、それぞれ順位と債権額を確認しておくと、売却時の見通しが立てやすくなります。
ハウスドゥ 取手戸頭店にご相談ください
抵当権の順位や、複数の抵当権が付いた不動産の売却は、状況によって進め方が大きく変わります。ハウスドゥ 取手戸頭店は、取手市を中心に不動産の売却・買取のご相談を承っています。登記簿の見方から売却方法の検討まで、お気軽にご相談ください。なお、法律上の手続きは司法書士や弁護士などの専門家と連携して進めます。
無料相談・査定のご依頼は、お電話(0120-565-072)またはお問い合わせフォームから承ります。
抵当権の順位に関するよくある質問
抵当権の順位はどうやって決まりますか?
同じ不動産に複数の抵当権がある場合、順位は登記の前後で決まります(民法373条)。登記簿の乙区に記録される順位番号が小さいほど先順位で、1番抵当権、2番抵当権のように呼びます。契約した日ではなく、登記した順番が基準になる点が重要です。
抵当権の順位は変更できますか?
変更できます。各抵当権者の合意によって順位を入れ替えることができ、利害関係を持つ人がいる場合はその承諾も必要です(民法374条)。また、順位の変更は登記をしなければ効力が生じません。
抵当権の順位の譲渡と放棄は何が違いますか?
どちらも抵当権の処分の一つで、先順位の抵当権者が特定の後順位の抵当権者の利益のために行います。譲渡は、先順位者が受け取れるはずの優先的な配当を後順位者に譲る方法です。放棄は、両者が同じ順位にいるものとして、配当を債権額の割合で分け合う方法です。いずれも当事者間の処分であり、第三者に主張するには登記が必要です。
同順位の抵当権とは何ですか?
複数の抵当権が同じ順位番号で登記されている状態です。同時に申請して同じ受付番号で登記された場合などに生じ、配当では債権額の割合に応じて按分されます。
先順位の抵当権が完済されると、後順位の抵当権はどうなりますか?
先順位の抵当権が消えると、後順位の抵当権の順位が繰り上がります。これを順位上昇の原則と呼びます。たとえば1番の住宅ローンを完済して抹消すれば、2番だった抵当権が1番になります。
2番抵当権が付いていても家は売れますか?
売ることはできますが、買主へ引き渡すときには原則としてすべての抵当権を抹消する必要があります。売却代金で1番・2番の両方を完済できれば通常の売却が可能です。足りない場合は、後順位の抵当権者に抹消へ応じてもらう交渉が必要になり、任意売却などの方法を検討します。
抵当権の順位変更登記には費用がかかりますか?
登録免許税のほか、司法書士へ依頼する場合は報酬がかかります。登録免許税は不動産1個につき1,000円が目安とされていますが、取扱いは変わることがあるため、申請前に法務局や司法書士でご確認ください。
自分の不動産の抵当権の順位はどこで確認できますか?
法務局で取得できる登記事項証明書(登記簿謄本)の権利部乙区に、抵当権の順位番号と内容が記録されています。オンラインでの請求や、窓口・郵送での請求が可能です。
後順位の抵当権者が抹消に応じてくれない場合はどうすればよいですか?
売却代金からの配当額や、抹消の承諾の条件について、不動産会社や司法書士、弁護士などの専門家を通じて交渉するのが一般的です。個人間で進めると難航しやすいため、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
まとめ
抵当権の順位は、登記をした順番で決まり、先順位ほど優先して配当を受けられます。順位は合意と登記で変更でき、譲渡・放棄といった方法で当事者間の利益を調整することもできます。不動産を売却するときは、1番だけでなく2番以降の抵当権もすべて抹消する必要があるため、まず登記簿で順位と債権額を確認することが第一歩です。関連する登記の基本は仮登記とはや保存登記とはの記事も参考になります。なお、登録免許税などの金額は目安であり、最新の取扱いは法務局や司法書士でご確認ください。
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