龍ケ崎市で家を買う、あるいは今住んでいる家をこの先どうするか考えるとき、避けて通れないのが水害と土砂災害のリスクです。市内には利根川と小貝川という二つの一級河川が流れ、牛久沼にも接しており、地形によって浸水のリスクは大きく異なります。この記事では龍ケ崎市が公表しているハザードマップの種類、確認方法、想定される浸水深、避難所の情報を一次情報ベースで整理し、不動産売却時に知っておくべき法律上のポイントまで解説します。

龍ケ崎市はどんな地形で、なぜハザードマップが重要なのか

龍ケ崎市は茨城県南部に位置し、西側は牛久沼、東側は利根川、市の中央から北側にかけて小貝川が流れています。市街地の中心部は台地上にありますが、河川沿いの低地には住宅地や田畑が広がっており、地区によって水害リスクの度合いが大きく異なるのが特徴です。台地部は比較的水害に強い一方、低地部では過去に浸水被害が発生した記録もあります。

不動産を売買する際、こうした地理的な特性を無視することはできません。同じ龍ケ崎市内でも「駅に近いから」「価格が安いから」という理由だけで選ぶと、水害リスクを見落とすことがあります。ハザードマップは、その土地が持つリスクを客観的な数字と地図で示してくれる資料です。

龍ケ崎市が公表しているハザードマップの種類

龍ケ崎市公式ホームページの「ハザードマップ」ページでは、大きく分けて次の3種類が公表されています(2026年6月1日更新の情報に基づく)。

洪水ハザードマップ(利根川・小貝川・中小河川・内水)

利根川洪水ハザードマップ、小貝川ハザードマップ、中小河川洪水ハザードマップ、内水ハザードマップの4種類がPDF形式で公開されています。河川ごとに想定される浸水範囲や浸水深が異なるため、自宅や検討中の物件がどの河川の影響を受けるエリアにあるかを確認する必要があります。

土砂災害ハザードマップ

茨城県知事により指定された土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域に基づいて作成されています。龍ケ崎市内では半田・塗戸地区、薄倉地区、長峰・白羽地区、羽黒町地区、若柴・稲荷新田町地区、馴馬・平台地区、八代・城ノ内地区、板橋地区、龍ケ崎・羽原地区の9地区に分けてマップが公表されており、平成25年3月の追加指定を含めて市内全30箇所が警戒区域として指定されています(2019年3月18日更新の情報)。

地震ハザードマップ

龍ケ崎市都市整備部のページで地震ハザードマップも公表されています。揺れやすさや液状化の可能性を示す資料として、洪水・土砂災害マップとあわせて確認しておきたい情報です。

ハザードマップの確認方法

龍ケ崎市の洪水・土砂災害ハザードマップはいずれもPDF形式で、龍ケ崎市公式ホームページの「安全・安心」>「消防・防災・国民保護」>「ハザードマップ」から地区ごとにダウンロードできます。著作権は株式会社ゼンリンに帰属しており、二次利用には許可が必要な点に注意してください。

自分の住所がどの区域に該当するかを調べる際は、PDFの地図上で自宅の位置を確認するほか、国土交通省が提供する「重ねるハザードマップ」を併用すると、複数の災害リスクを地図上で重ね合わせて確認できるため便利です。

雨水出水浸水想定区域|内水氾濫のリスクも公表されている

洪水ハザードマップとは別に、龍ケ崎市は2026年3月1日付で「雨水出水浸水想定区域」を新たに指定・公表しました。これは水防法第14条の2第2項に基づくもので、公共下水道等の排水施設で雨水を処理しきれなくなった場合に浸水が想定される区域を示しています。

龍ケ崎市の場合、想定最大規模降雨は時間最大雨量153mm(目安)とされており、河川の氾濫(外水氾濫)とは別に、大雨による内水氾濫のリスクも独立して評価されている点は見落とされがちです。区域図はPDFで公表されており、市全域の水害リスクを総合的に把握するには、洪水ハザードマップとあわせてこの内水想定区域図も確認することをおすすめします。

浸水深の目安をどう読み解くか

ハザードマップの色分けは、浸水した場合にどの程度の深さになるかを示しています。一般的な区分の目安は次の通りです(自治体・国交省の標準的な表示区分を基にした目安であり、実際の色や数値は龍ケ崎市公式のハザードマップ本体で確認してください)。

  • 0.5m未満:大人の膝までの浸水。歩行は可能だが注意が必要な水位
  • 0.5m〜1.0m未満:大人の腰から胸まで。木造住宅では床上浸水が発生する目安
  • 1.0m〜3.0m未満:1階の軒下から2階の床下に達する水位で、1階での生活が困難になる
  • 3.0m〜5.0m未満:1階の天井付近まで。2階への避難が必要になる水位
  • 5.0m以上:2階の屋根に迫る水位で、垂直避難でも危険が生じる場合がある
龍ケ崎市 洪水ハザードマップ 浸水深の目安 早見表
浸水深の目安(一般的な色区分の目安。詳細は龍ケ崎市公式ハザードマップでご確認ください)

浸水深が深いエリアほど、住宅の構造や避難計画に与える影響が大きくなります。土地探しの段階でこの数値を把握しておくと、建物の構造(盛土の高さ、基礎の高さなど)を検討する材料にもなります。

指定緊急避難場所・指定避難所はどこにあるか

龍ケ崎市公式ホームページ「指定緊急避難場所・指定避難所」ページ(2025年12月15日更新)によると、市内は龍ケ崎地区、龍ケ崎西地区、大宮地区、長戸地区、八原・城ノ内地区、馴馬台地区、長山地区、久保台地区、松葉地区、馴柴地区、川原代地区、北文間地区の12地区に分かれて避難場所・避難所が指定されています。

指定緊急避難場所とは

災害が発生した、またはそのおそれがあるときに一時的に逃げるための場所で、学校のグラウンドや公園などが該当します。龍ケ崎小学校、旧城南中学校、龍ケ崎中学校、竜ヶ崎第一高等学校、竜ヶ崎第二高等学校、流通経済大学など、対象となる災害の種類(洪水・土砂災害・地震)が施設ごとに定められています。

指定避難所とは

災害によって自宅に戻れなくなった場合に、一定期間生活できる施設です。高齢者や体の不自由な方を受け入れる「指定福祉避難所」は、「指定一般避難所」の開設後に開設される仕組みになっています。避難所の開設情報は防災行政無線、市メール配信サービス、市公式SNS、市公式防災アプリ「防災龍ケ崎」などで案内されます。

自宅や検討中の物件がどの地区に属し、最寄りの避難場所・避難所がどこかは、事前に把握しておくことをおすすめします。一覧表の住所はGoogleマップと連携しており、経路の確認も可能です。

地区ごとの地形とリスクの傾向

龍ケ崎市の地形は大きく「台地部」と「河川沿いの低地部」に分けて考えることができます。あくまで一般的な傾向であり、個々の物件のリスクは必ずハザードマップ本体で確認する必要がありますが、土地探しの初期段階での目安として押さえておきたいポイントです。

台地上に広がる市街地エリア

龍ケ崎駅周辺や市役所周辺を含む中心市街地は台地上に位置しており、洪水による浸水リスクは相対的に低い傾向があります。一方で、台地の縁辺部やがけ地に近い場所では土砂災害警戒区域に該当することがあるため、平地だからといって安心はできません。

利根川・小貝川沿いの低地エリア

利根川や小貝川に近い低地部では、洪水ハザードマップ上で浸水深が大きく想定されている区域があります。こうしたエリアで住宅を購入・売却する場合は、浸水深の目安と避難場所までの距離を必ず確認しておく必要があります。

不動産売買と水害リスク説明義務の関係

2020年の宅地建物取引業法施行規則改正により、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地についての説明が、重要事項説明の項目として義務化されました(宅建業法34条の2第2項に基づく)。これにより、不動産取引の際には水防法に基づき作成された水害ハザードマップ(洪水・内水・高潮など)における対象物件の所在地を、取引の相手方に対して示す必要があります。

龍ケ崎市の場合、洪水ハザードマップに加えて2026年3月に指定・公表された雨水出水浸水想定区域も対象となり得るため、売却を検討する際は最新の区域指定状況を確認しておくことが重要です。区域内だからといって売却できないわけではありませんが、説明を怠ると後のトラブルにつながる可能性があるため、正確な情報を基に進める必要があります。

ハザードエリアの物件は売却できるのか

結論として、ハザードマップ上で浸水想定区域や土砂災害警戒区域に該当していても、物件の売却自体は可能です。ただし、購入希望者に対して重要事項説明でリスクを正確に伝える義務がある以上、価格や条件の交渉に影響することは珍しくありません。

売却を検討する際は、次の点を事前に整理しておくとスムーズです。

  • 物件がどの洪水ハザードマップ(利根川・小貝川・中小河川・内水)の対象区域に該当するか
  • 該当する場合の想定浸水深はどの程度か
  • 土砂災害警戒区域・特別警戒区域に該当するか
  • 雨水出水浸水想定区域に該当するか(2026年3月指定分)
  • 最寄りの指定緊急避難場所・指定避難所はどこか

これらの情報はいずれも龍ケ崎市公式ホームページで確認できます。不明な点があれば、地元の不動産会社に相談しながら整理していくのが確実です。

マンション・戸建てで異なる備えの考え方

戸建て住宅の場合

戸建て住宅では、浸水深が1階の床上に達する想定がある場合、2階への垂直避難が現実的な選択肢になることがあります。一方で浸水深が5.0m以上とされるエリアでは、垂直避難だけでは対応が難しいケースもあるため、指定緊急避難場所への早めの移動が重要になります。

マンション・集合住宅の場合

マンションの場合は上層階への移動(垂直避難)がしやすい一方、電気設備が地下や1階に設置されているケースでは、浸水によって停電や断水が発生するリスクがあります。購入・賃貸を検討する際は、設備の設置階数も確認しておくと安心材料になります。

よくある質問

Q1. 龍ケ崎市のハザードマップはどこで確認できますか

龍ケ崎市公式ホームページの「安全・安心」>「消防・防災・国民保護」>「ハザードマップ」ページから、洪水(利根川・小貝川・中小河川・内水)、土砂災害、地震のハザードマップをPDFでダウンロードできます。

Q2. 龍ケ崎市の洪水ハザードマップは何種類ありますか

小貝川ハザードマップ、利根川ハザードマップ、中小河川洪水ハザードマップ、内水ハザードマップの4種類が公表されています(2026年6月1日更新の情報に基づく)。

Q3. 土砂災害警戒区域は市内にどのくらいありますか

平成25年3月の追加指定を含め、市内全30箇所が土砂災害警戒区域等の指定箇所として茨城県により指定されています(2019年3月18日更新の情報。最新の指定状況は茨城県ホームページでも確認できます)。

Q4. 雨水出水浸水想定区域とは何ですか

公共下水道等の排水施設で雨水を排除できなくなった場合に浸水が想定される区域のことです。龍ケ崎市では2026年3月1日付で指定・公表されており、河川の外水氾濫とは別に評価される内水氾濫のリスクを示しています。

Q5. 避難場所はどうやって調べればよいですか

龍ケ崎市公式ホームページ「指定緊急避難場所・指定避難所」ページで、地区別(龍ケ崎地区、龍ケ崎西地区、大宮地区など12地区)に一覧が公開されています。住所をクリックするとGoogleマップで経路も確認できます。

Q6. 浸水想定区域内の物件でも売却できますか

売却は可能です。ただし宅建業法34条の2第2項に基づき、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地を重要事項説明で示す義務があるため、正確な情報を基に取引を進める必要があります。

Q7. ハザードマップの情報はどのくらいの頻度で更新されますか

洪水ハザードマップは2026年6月1日、雨水出水浸水想定区域は2026年3月1日、土砂災害ハザードマップは2019年3月18日が、それぞれ公式ホームページに記載された直近の更新日です(確認時点の情報)。制度改正や新たな調査により更新されることがあるため、売却・購入の際は必ず最新版を確認してください。

まとめ|龍ケ崎市の防災情報は「知っているかどうか」で差がつく

龍ケ崎市は台地部と河川沿いの低地部が混在する地形のため、同じ市内でも地区によって水害・土砂災害のリスクは大きく異なります。洪水ハザードマップ、土砂災害ハザードマップ、そして2026年3月に新たに公表された雨水出水浸水想定区域まで、一次情報を確認したうえで物件のリスクを把握しておくことが、住まい選びでも売却でも欠かせません。

ハウスドゥ 取手戸頭では、龍ケ崎市エリアの売却・査定に関するご相談を承っています。ハザードマップの見方が分からない、重要事項説明での水害リスクの伝え方に不安があるといったご相談も歓迎です。お気軽にお問い合わせください。

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