「相続した実家の裏に畑がある」「もう耕作していない田んぼをどうにかしたい」——取手市は市街化区域の中にも生産緑地や市街化調整区域の農地が点在しており、宅地とは異なるルールで売却を考える必要があります。この記事では、取手市で農地・生産緑地を売却するときに必ず関わってくる「農地法の許可」の仕組みと、取手市ならではの生産緑地の指定状況を、市の公式情報にもとづいて整理します。宅地の売却相場については取手市の土地売却ガイドもあわせてご覧ください。

目次
  1. 取手市の農地売却が難しいと言われる理由|農地法という「壁」
    1. 農地のまま売る(農地法第3条)
    2. 農地を転用して売る(農地法第4条・第5条)
    3. 市街化区域なら「届出」で済む場合がある
  2. 取手市の生産緑地|「2022年問題」は取手市でも起きていた
    1. 特定生産緑地に切り替えなかった場合の取り扱い
    2. 買取り申し出ができる3つの条件
  3. 取手市で農地・生産緑地を売却する2つのルート
    1. ルート1:農地のまま、農業者に売る
    2. ルート2:転用してから、一般の買主に売る
  4. 農地売却でかかる費用と税金
    1. 仲介手数料
    2. 農地転用にかかる費用
    3. 譲渡所得税と特別控除
  5. 取手市の農地・農業をめぐる状況
  6. 売却前に、まず確認しておきたい3つのこと
    1. 1. その土地は「市街化区域」か「市街化調整区域」か
    2. 2. 生産緑地に指定されていないか
    3. 3. 抵当権など、権利関係に問題はないか
  7. 仲介と買取、農地売却ではどちらが向いているか
  8. 取手市のエリア別・農地が残るエリアの傾向
  9. ハウスドゥ 取手戸頭店にご相談いただく理由
  10. まとめ
  11. よくある質問
    1. Q1. 農地は売却できないというのは本当ですか?
    2. Q2. 取手市の自分の土地が生産緑地かどうか、どこで確認できますか?
    3. Q3. 農地を売却したときの800万円控除とは何ですか?
    4. Q4. 農地のまま売るのと、転用してから売るのとではどちらが高く売れますか?
    5. Q5. 生産緑地の「買取り申し出」をすれば必ず市が買い取ってくれますか?
    6. Q6. 相続した農地を売りたい場合、まず何をすればいいですか?
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取手市の農地売却が難しいと言われる理由|農地法という「壁」

農地は宅地と違い、所有者の意思だけで自由に売買できません。農地法という法律が「誰が」「どのように」取得できるかを制限しているためです。取手市で農地の売却を考えたとき、最初にぶつかるのがこの「農地法の壁」です。

農地のまま売る(農地法第3条)

農地を農地のまま売買・貸借する場合は、農地法第3条の許可が必要です。買主は原則として農業に従事する個人・法人(農業委員会が定める要件を満たす者)に限られます。取手市に居住していない人や、農業をしていない一般の個人・法人は、そのままでは買主になれません。

農地を転用して売る(農地法第4条・第5条)

農地を宅地や駐車場、資材置場など農地以外の用途に転用したうえで売却する場合は、農地法第4条(所有者自身が転用)または第5条(転用目的での権利移転)の許可が必要です。買主を農業者に限定しない分、売却の選択肢は広がりますが、市街化調整区域か市街化区域かによって手続きの重さが大きく変わります。

取手市農業委員会事務局(茨城県取手市藤代700・電話0297-74-2141)の公式案内によると、農地の売買・貸借(3条)や地目変更・埋立(4条・5条等)、一時的な資材置場・駐車場への転用(4条・5条等)は、いずれも許可申請または届出が必要と明記されています。無許可で農地以外に使用すると「違反転用」(農地法第51条)にあたり、原状回復命令に違反した個人は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、法人には1億円以下の罰金という重い罰則が定められています。

市街化区域なら「届出」で済む場合がある

取手市の農地には、都市計画法上の「市街化区域」内にあるものと「市街化調整区域」内にあるものが混在しています。市街化区域内の農地を転用する場合は、農業委員会への「届出」で足りるケースが多く、市街化調整区域の農地を転用する場合は、県(農業会議等を経由)の「許可」が必要になり、審査に時間がかかる傾向があります。ご自身の農地がどちらの区域にあるかは、取手市都市計画課で都市計画図を確認するか、農業委員会事務局に問い合わせるのが確実です。

取手市農業委員会の総会(許可の審査を行う会議)はおおむね毎月1回開催されており、申請には毎月の締切日があります。「思い立ってすぐ売れる」ものではなく、総会のスケジュールに合わせて逆算した準備が必要です。締切日は取手市公式サイトの「農地転用許可、届出等締切日」ページで確認できます。

取手市の生産緑地|「2022年問題」は取手市でも起きていた

市街化区域内にある農地の一部は「生産緑地地区」に指定されています。生産緑地は固定資産税が農地並みに軽減される一方、建築や宅地への転用が制限され、農地として管理する義務を負う制度です。取手市都市計画課の公式情報によると、取手市では平成4年に最初の指定が行われ、指定から30年が経過する令和4年(2022年)前後に「特定生産緑地」への切り替えが進められました。

取手市の生産緑地30年経過後の分かれ道 特定生産緑地指定の有無フロー図
生産緑地は指定から30年で「特定生産緑地」への切り替えの有無が分かれ道になります

取手市公式サイトで確認できる直近の指定状況は次のとおりです(いずれも特定生産緑地としての指定面積、令和6年の告示ベース)。

告示日特定生産緑地 指定面積
令和4年9月9日(当初指定)約18.11ヘクタール
令和5年12月13日約18.00ヘクタール
令和6年1月18日約17.89ヘクタール
令和6年2月16日約17.59ヘクタール

※取手市都市計画課「特定生産緑地」ページ(更新日2026年2月10日確認)の公表資料にもとづく目安です。最新の指定状況・指定一覧図は取手市公式サイトでご確認ください。

特定生産緑地に切り替えなかった場合の取り扱い

特定生産緑地への指定を受けなかった生産緑地は、告示から30年が経過すると、いつでも市町村長に対して「買取り申し出」ができるようになります(生産緑地法第10条)。この申し出から3か月以内に所有権移転が行われなければ、行為制限が解除され、農地転用等の手続きを経たうえで宅地等として利用・売却できるようになります。ただし特定生産緑地に切り替えなかった場合、固定資産税は5年間かけて段階的に宅地並み課税へ引き上げられ、相続税の納税猶予も「告示から30年経過後に発生した相続」からは受けられなくなる点に注意が必要です。

買取り申し出ができる3つの条件

生産緑地の買取り申し出は、次の3つのいずれかに該当する場合に可能です(30年経過後の申し出以外の要件)。

  • 生産緑地地区の都市計画決定の告示から30年が経過したとき
  • 農業の主たる従事者が死亡したとき(相続が発生したとき)
  • 農業の主たる従事者が病気やけがで農業に従事することが不可能になったとき

相続をきっかけに生産緑地の扱いを考え始める方が多いのは、この2番目の条件に該当するためです。ただし「時価で買い取るべき旨の申し出」であって、必ず市が買い取ってくれるわけではありません。買取りが行われなければ制限が解除される、という制度です。

取手市で農地・生産緑地を売却する2つのルート

農地を売るときの2つのルート 農地法第3条と第4条5条の比較図
農地のまま売るか、転用してから売るかで農地法上の許可の種類が変わります

ルート1:農地のまま、農業者に売る

買主が農業者(認定農業者等)に限られるため市場は狭くなりますが、農地法3条の許可を得れば転用の手間がかからず、比較的短期間で売却できる可能性があります。取手市農業委員会が仲介の相談に応じているほか、公益社団法人茨城県農林振興公社の「農地中間管理事業」(農地を売りたい人と買いたい農業者をつなぐ公的な仕組み)も選択肢のひとつです。

ルート2:転用してから、一般の買主に売る

市街化区域内の農地であれば、宅地への転用(届出)を前提に、住宅用地として一般の個人にも売却できます。買主の対象が広がる分、価格面では有利になりやすい一方、造成費用や測量費用、転用手続きの時間がかかります。市街化調整区域の農地は転用のハードルがさらに高く、原則として建物を建てられない区域も多いため、転用前提の売却が難しいケースもあります。この場合は「農地のまま」「山林・原野に近い形」での売却や、太陽光発電用地としての活用を検討することもあります。

農地売却でかかる費用と税金

仲介手数料

宅地建物取引業者に仲介を依頼した場合の仲介手数料は、宅地と同じ速算式で上限が決まります。売買価格が400万円を超える部分については「価格×3%+6万円+消費税」が上限です(例:500万円で売却した場合、上限21万円+消費税)。農地は宅地に比べて売買価格が低くなりやすいため、低廉な空家等の媒介報酬特例(税抜800万円以下の場合、双方合計で最大33万円・消費税込み)が使えるケースもあります。

農地転用にかかる費用

転用を伴う場合は、行政書士への許可申請代行費用(目安10万円前後〜)、測量費用(境界が未確定な場合)、造成費用などが別途発生します。売却額から差し引いて手取りを考える際は、これらの諸費用も見込んでおく必要があります。

譲渡所得税と特別控除

農地を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、所有期間が5年を超える「長期譲渡所得」であれば税率20.315%(所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%)、5年以下の「短期譲渡所得」であれば税率39.63%が課税されます。

国税庁の「譲渡所得の特別控除の種類」(No.3223)によると、農地保有の合理化等のために農地を譲渡した場合は、譲渡所得から最大800万円(農業委員会のあっせん等による場合)を差し引ける特別控除があります。農地中間管理機構への譲渡など一定の条件を満たす場合は、控除額がさらに大きくなるケースもあります。適用には確定申告が必要で、農用地区域内の農地であることなど要件が細かく定められているため、実際に使えるかどうかは税務署または税理士への確認が必要です。

相続で取得した農地であれば、相続税の取得費加算の特例(相続税の申告期限の翌日から3年以内の譲渡で、支払った相続税の一部を取得費に加算できる)が使える場合もあります。あわせて検討する価値があります。

取手市の農地・農業をめぐる状況

取手市の住宅地の公示地価は2026年時点で前年比+3.6%と上昇傾向にあります(取手市内・目安、公示地価の詳細は取手市の完全ガイド記事で解説しています)。宅地の需要が底堅い一方で、農地・生産緑地は農業の担い手不足や耕作放棄の懸念もあり、宅地とは別の市場として捉える必要があります。「農地のままでは買い手が見つからないが、転用には時間と費用がかかる」というジレンマを抱える所有者の方は少なくありません。

売却前に、まず確認しておきたい3つのこと

1. その土地は「市街化区域」か「市街化調整区域」か

この違いだけで、転用のしやすさ・買主の広がり・想定価格が大きく変わります。取手市都市計画課で都市計画図を確認するか、当店にご相談いただければ登記情報とあわせて確認いたします。

2. 生産緑地に指定されていないか

生産緑地に指定されている場合、特定生産緑地への切り替え状況によって「今すぐ買取り申し出ができるか」が変わります。相続をきっかけに調べたら生産緑地だった、というケースは珍しくありません。

3. 抵当権など、権利関係に問題はないか

相続した農地でよくあるのが、亡くなった親族名義の抵当権が登記簿上残ったままになっているケースです。完済していても抹消登記をしなければ乙区から消えません。登記事項証明書(約600円)を取得して確認しておくと、後のトラブルを防げます。

仲介と買取、農地売却ではどちらが向いているか

農地は買主が限定される、あるいは転用に時間がかかるという特性上、一般的な仲介では「買い手が見つかるまで期間が読めない」ことがあります。すぐに現金化したい、転用の手続きを自分で進める余裕がないという場合は、不動産会社による直接買取も選択肢になります。買取であれば、転用の要否も含めて会社側で判断したうえで価格を提示するため、売主側で許可申請を進める負担がありません。一方、時間をかけてでも高値を狙いたい場合や、農業者への売却を優先したい場合は、農業委員会への相談や仲介での売却が向いています。

いずれの場合も、査定額には宅地建物取引業法第34条の2第2項にもとづく根拠明示義務があります。「農地だから安くて当然」で終わらせず、なぜその価格になるのか、転用の可否も含めて説明を求めることをおすすめします。

取手市のエリア別・農地が残るエリアの傾向

取手市内でも、取手駅・藤代駅周辺の市街化区域は宅地化が進んでいますが、青柳・小文間・稲・宮和田・岡など旧利根川流域や市の南部・西部には、市街化調整区域の田畑がまとまって残っています。こうしたエリアの農地は、駅からの距離があっても、太陽光発電用地や資材置場としての需要、近隣農業者への売却など、宅地とは異なる出口があります。エリアごとの区域区分・生産緑地の有無は個別に異なるため、一律の相場では判断できません。

ハウスドゥ 取手戸頭店にご相談いただく理由

農地・生産緑地の売却は、宅地の売却以上に「その土地固有の制約」を正確に把握することが重要です。当店は取手市戸頭に店舗を構え、地元の農業委員会・都市計画課とのやり取りを含めて、地域に根ざした対応を行っています。全国に店舗網を持つハウスドゥブランドの買主ネットワークを活かしながら、実際に現地を確認し、区域区分・生産緑地指定・権利関係を一つずつ整理したうえで査定額の根拠をご説明します。

「農地だから」とあきらめる前に、まずは登記情報と都市計画の状況を確認するところから始めませんか。仲介と買取、どちらが向いているかも含めて無料でご相談いただけます。

まとめ

取手市で農地・生産緑地を売却する際は、宅地とは異なる「農地法」というルールが必ず関わってきます。市街化区域か調整区域か、生産緑地の指定を受けているか、特定生産緑地への切り替えがあったかによって、取れる選択肢とスケジュールは大きく変わります。まずは登記情報と都市計画の状況を確認したうえで、農業委員会への相談と、不動産会社への査定依頼を並行して進めることをおすすめします。

ハウスドゥ 取手戸頭店(運営:株式会社JOB HOPE・茨城県知事(2)第7366号)では、農地・生産緑地を含む取手市の土地売却について、転用の可否も含めた無料査定を承っています。まずはお気軽にご相談ください。

よくある質問

Q1. 農地は売却できないというのは本当ですか?

売却は可能です。ただし宅地のように自由には売買できず、農地法にもとづく許可(農地のまま売る場合は買主が農業者に限られる、転用して売る場合は許可・届出が必要)が必要になります。この手続きの分、時間がかかるため「難しい」と言われています。

Q2. 取手市の自分の土地が生産緑地かどうか、どこで確認できますか?

取手市都市計画課(電話0297-74-2141)に問い合わせるか、取手市公式サイトで公開されている特定生産緑地の指定図・指定一覧で確認できます。登記簿の地目だけでは判断できないため、必ず都市計画課への確認をおすすめします。

Q3. 農地を売却したときの800万円控除とは何ですか?

農業委員会のあっせんや農地中間管理機構への譲渡など、農地保有の合理化のために農地を譲渡した場合に、譲渡所得から最大800万円を控除できる特例です(国税庁No.3223)。適用要件が細かく定められているため、確定申告前に税務署または税理士へのご確認をおすすめします。

Q4. 農地のまま売るのと、転用してから売るのとではどちらが高く売れますか?

一般的には、転用して宅地として売却したほうが買主の対象が広がるため高値になりやすい傾向があります。ただし転用には許可・届出の手間や造成費用がかかり、市街化調整区域では転用そのものが難しい場合もあります。立地や区域によって最適な方法が異なるため、個別の査定でご確認ください。

Q5. 生産緑地の「買取り申し出」をすれば必ず市が買い取ってくれますか?

必ず買い取られるわけではありません。申し出から3か月以内に所有権移転が行われなければ、生産緑地の行為制限が解除される、という制度です。制限が解除されたあとに、農地転用の手続きを経て一般に売却する流れが一般的です。

Q6. 相続した農地を売りたい場合、まず何をすればいいですか?

まず相続登記(名義変更)が済んでいるかを確認してください。未登記の場合は売却前に相続登記が必要です。あわせて、その農地が市街化区域か調整区域か、生産緑地かどうかを確認し、農業委員会と不動産会社の両方に相談すると選択肢を把握しやすくなります。

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