シロアリ被害の告知義務とは|「知らなかった」は通用しない理由
不動産を売却するとき、床下にシロアリ被害があると分かっていながら黙って引き渡してしまうと、あとで大きなトラブルに発展します。この記事では、親記事「不動産買取の契約不適合責任とは?免責特約のポイントとトラブル回避策」で軽く触れたシロアリの論点だけを深掘りし、告知義務の考え方・自分でできる被害チェック方法・駆除費用の目安・告げずに売った場合のリスクまで、取手市・利根町エリアで家を売る方向けに整理します。
2020年の民法改正でシロアリ被害の扱いはどう変わったか
2020年4月の民法改正により、それまでの「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に変わりました。この改正で重要なのは、売主が把握していなかった不具合についても責任を問われる可能性が生じた点です。ただし、売主が実際にシロアリ被害を知っていながら黙って売却した場合は、話がまったく別になります。
知っていて告げなかった事実は、契約書に免責特約があっても保護されません。免責特約は「売主が知らなかった欠陥」について責任を軽くする仕組みであり、「知っていて隠した」事実には及ばないのが基本的な考え方です。
「知らなかった」という言い訳が通用しない理由
過去にシロアリの駆除工事をした記録が残っている、あるいは以前に業者から被害を指摘されたことがある場合、その事実は年数が経っていても告知義務の対象になります。たとえば20年前の被害であっても、建物の安全性に関わる情報である以上、伝えなければ義務違反とみなされる可能性があります。
「もう昔のことだから」「今は問題ないはずだから」という自己判断で告知を省略するのは危険です。判断に迷う場合は、駆除業者の点検記録や過去の見積書を確認したうえで、少しでも心当たりがあれば不動産会社に相談してから売却活動に進むことをおすすめします。
シロアリ被害を自分でチェックする方法
売却前に「本当にシロアリ被害がないか」を確認しておくと、告知内容に迷わずに済みます。専門業者に依頼する前に、自分でもある程度の兆候を確認できます。
床下・基礎まわりで確認するポイント
シロアリは水回りを好むため、浴室・洗面所・トイレ・台所・玄関・勝手口の周辺に被害が集中しやすいとされています。床下点検口から覗ける範囲で、次のような兆候がないか確認しましょう。
- 基礎や土台の木材表面に、土でできた筋状の「蟻道(ぎどう)」が付着していないか
- 土台や柱を軽く叩いてみて、通常より軽い・こもった音がしないか
- 水漏れの跡があり、その周辺の木材が腐っていないか
- 床下にシロアリ以外の湿気を好む昆虫が多く見られないか
蟻道を見つけた場合は、ドライバーなどで軽く崩してみて、中からシロアリが出てくるかどうかで生息の有無をある程度判断できます。ただし無理に壁や床を壊す必要はありません。
羽アリの発生は分かりやすいサイン
4月から6月ごろの暖かい日の午前中に、室内の窓際や照明の周りで羽アリが大量に飛んでいるのを見た場合、床下でシロアリが繁殖している可能性があります。羽アリは繁殖のために巣から飛び立つ個体なので、発生を確認したら早めに専門業者への相談を検討してください。
木材を叩いたときの音と質感
蟻道の近くにある木材を軽く叩いて空洞のような音がしたり、指で押すと木がやわらかく沈み込むようであれば、内部が食害されている可能性があります。見た目が健全でも内部が空洞化しているケースがあるため、複数箇所で確認するのが安全です。

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シロアリ駆除費用の目安
被害の疑いがある場合、売却前に駆除するか、被害の事実を告知したうえで現況のまま売却するかを選ぶことになります。判断材料として、駆除費用の目安を知っておきましょう。
坪単価・平米単価の相場
一般的なバリア工法(薬剤を床下に散布・注入する工法)の場合、坪あたりおおむね6,000円〜8,000円程度が目安とされています。平米単価では2,000円前後で紹介されている調査もあります。あくまで目安であり、被害の範囲や建物の状態、依頼する業者によって差が出ます。
30坪程度の一軒家での総額目安
延床30坪程度の一般的な一戸建てでは、総額でおおむね18万円〜24万円程度が目安として紹介されています。被害が広範囲に及んでいる場合や、床下の木材交換まで必要な場合は、これより高額になることがあります。正確な金額は、複数の駆除業者から見積もりを取って比較することをおすすめします。
告知せずに売却した場合のリスク
シロアリ被害を知っていながら黙って売却し、引き渡し後に発覚した場合、買主から修補費用や損害賠償を請求される可能性があります。免責特約があっても、売主が事実を認識しながら告げなかった場合は「故意または重過失」があったとして、特約の保護を受けられないことがあります。
実際に、築年数の古い中古物件を改装して転売した事案で、売買契約の時点で既にシロアリによって土台が侵食され、建物の構造耐力に影響する状態だったと認定され、買主側の損害が認められた例も報告されています。一方で、売主が被害の連絡を受けた後に誠実に調査・対応していた場合は、契約前に発見できなかったことについて「やむを得ない」と判断された例もあります。ここからも分かるとおり、鍵になるのは「知っていたかどうか」と「知った後にどう対応したか」です。
不安な場合は、無理に自己判断で「大丈夫」と決めつけず、床下点検の記録があれば不動産会社に開示し、現況のまま告知して進める方法も選択肢になります。買取であれば、シロアリ被害があることを前提に価格へ反映したうえで、現況のまま引き渡せるケースもあります。
告知書・付帯設備表への書き方の目安
シロアリ被害の情報は、不動産売買契約時に作成する「物件状況等報告書(告知書)」に記載するのが一般的です。書き方に厳密な決まりはありませんが、次のような観点で具体的に記載しておくと、後々のトラブルを避けやすくなります。
被害の発見時期と場所を具体的に書く
「いつ頃」「建物のどの部分で」被害や兆候に気づいたかを、覚えている範囲で構いませんので具体的に記載します。「〇年頃、床下点検口付近で蟻道のようなものを確認した」など、分かる範囲の情報を残すことが重要です。
駆除歴がある場合は業者名・時期・工法を書く
過去に駆除工事を行った記録が残っている場合は、依頼した業者名(分かれば)、実施時期、工法(バリア工法かベイト工法かなど)を記載します。保証書や見積書が手元にあれば、コピーを添付すると買主の安心材料になります。
「不明」「未確認」も正直に書いてよい
床下を点検したことがなく実態が分からない場合は、無理に「被害なし」と断定せず「未確認」「不明」と正直に記載する方法もあります。事実と異なる内容を書くよりも、分からないことを分からないと伝えるほうが、契約不適合責任のリスクを抑えられます。
取手市・利根町での対応について
ハウスドゥ 取手戸頭店では、シロアリ被害の有無が分からない物件についても、現地を確認したうえで査定いたします。過去の駆除記録が残っていない場合や、床下点検口が塞がれていて自分では確認できない場合も、遠慮なくご相談ください。告知すべき内容を一緒に整理し、契約不適合責任のリスクを抑えた形での売却をサポートします。
よくある質問
Q1. 何年も前のシロアリ被害でも告知しないといけませんか?
年数が経っていても、建物の安全性に関わる情報であれば告知の対象になり得ます。過去に駆除工事をした記録がある場合は、その事実を含めて伝えるのが安全です。
Q2. 自分では被害が分からない場合はどうすればいいですか?
床下点検口から目視で確認できる範囲を見て、蟻道や木材の状態をチェックする方法があります。判断に迷う場合は、無理に自己判断せず専門業者の点検を依頼するか、現況のまま不動産会社に相談する方法もあります。
Q3. シロアリ駆除をしてから売った方がいいですか?
被害の程度や予算によって最適な選択は変わります。駆除費用をかけてから売却する方法もあれば、現況のまま価格に反映して売却する方法もあります。買取であれば現況のままの引き渡しに対応できる場合が多いため、まずは査定時にご相談ください。
Q4. 契約不適合責任の免責特約があれば、シロアリ被害を伝えなくても大丈夫ですか?
免責特約は「知らなかった欠陥」について責任を軽くする仕組みです。売主が被害を知っていながら告げなかった場合は、特約があっても保護されない可能性があります。
Q5. 羽アリを見ただけでシロアリ被害があると判断していいですか?
羽アリの発生は代表的なサインの一つですが、それだけで断定はできません。床下の蟻道や木材の状態もあわせて確認し、判断に迷う場合は専門業者に点検を依頼することをおすすめします。
Q6. シロアリ被害があると売却価格は下がりますか?
被害の程度や告知の有無によって影響は異なります。現況のまま告知して売却する場合、価格に反映されることが一般的ですが、買取であれば個別の状況に応じて柔軟に査定いたします。
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