取手市内には下水道が未整備のエリアが残っており、浄化槽で生活排水を処理している住宅も少なくありません。浄化槽付きの住宅を売却する際は、浄化槽の種類や維持管理の状況が査定や買主の判断に影響します。この記事では、取手市が実施している浄化槽設置費補助金の最新情報と、売却前に知っておきたい維持管理義務について解説します。

取手市の合併処理浄化槽設置費等補助金(令和8年度)
取手市では、下水道未整備区域を対象に、単独処理浄化槽やくみ取り便槽から合併処理浄化槽へ転換する場合などに設置費を補助しています。令和8年度の補助額の目安は以下のとおりです。

- 5人槽:332,000円
- 7人槽:414,000円
- 10人槽:548,000円
- 宅内配管工事費補助:上限33万円(単独処理浄化槽・くみ取り便槽からの転換に伴う場合)
- 既存単独処理浄化槽の撤去費補助:15万円
- 既存くみ取り便槽の撤去費補助:12万円
※金額はいずれも令和8年度の目安額です。年度によって変更される場合があるため、申請前に必ず取手市環境対策課(電話0297-74-2141)で最新情報をご確認ください。なお、建築確認を伴う転換工事は補助の対象外です。
補助金は抽選方式・着手前申請が必須
取手市の浄化槽設置費補助金は先着順ではなく抽選方式で実施されています。令和8年度の第一次募集は5月18日〜5月28日、抽選日は5月29日、募集基数は転換5基・新築5基とされていました。工事に着手した後や、既に設置済みの浄化槽は補助の対象外となるため、工事契約前に必ず市への申請を済ませる必要があります。また、補助を受けた場合は年度内(2月26日頃まで)に工事を完了し、実績報告を行うことが求められます。
浄化槽の維持管理義務(保守点検・清掃・法定検査)
浄化槽法により、浄化槽の所有者には次の3つの維持管理義務が課されています。
- 保守点検:専門業者による定期的な点検(浄化槽の種類・規模により回数が異なります)
- 清掃:年1回以上、汚泥などを引き出す清掃作業
- 法定検査:茨城県指定検査機関による年1回の水質等の検査
これらを怠ると浄化槽の処理機能が低下し、悪臭や水質悪化、近隣とのトラブルの原因になります。売却を検討している場合は、直近の保守点検・清掃・法定検査の記録を確認し、整理しておくことをおすすめします。保守点検・清掃を依頼する事業者が分からない場合は、取手市の浄化槽担当窓口で登録業者の案内を受けられるほか、これまで管理を任せていた業者にそのまま相談する方法もあります。管理記録の保管場所が分からず困っている方は、ハウスドゥ 取手戸頭店でも過去の点検記録の探し方についてサポートしていますので、お気軽にお問い合わせください。
単独処理浄化槽は売却時に注意
浄化槽にはトイレの排水のみを処理する「単独処理浄化槽」と、生活雑排水もあわせて処理する「合併処理浄化槽」があります。単独処理浄化槽が設置されている住宅は、生活雑排水がそのまま側溝などに流れてしまうため、買主が住宅ローンを利用する金融機関によっては、合併処理浄化槽への転換を条件とされることがあります。売却前に浄化槽の種類を確認し、転換が必要かどうかを把握しておくと、スムーズな売却につながります。
浄化槽付き住宅の売却の流れ
浄化槽のある家を売る場合も、基本の流れは通常の不動産売却と同じです。ただし、浄化槽は買主にとって「購入後にかかる維持費」や「故障したときの負担」が見えにくい設備のため、早い段階で状態を整理しておくと、買主の不安を減らして話を進めやすくなります。取手市での進め方は、大きく次の3ステップです。

まず浄化槽の種類と状態を確認し、次に売却方法を選び、最後に買主へ設備の状態を正しく説明します。順番を間違えて、査定や販売を始めてから浄化槽の問題が見つかると、売り出し後に条件を見直すことになり、売却期間が延びる原因になります。
浄化槽の種類を見分ける方法
浄化槽には、トイレの汚水だけを処理する「単独処理浄化槽」と、台所・風呂・洗濯などの生活雑排水もあわせて処理する「合併処理浄化槽」があります。浄化槽法の改正により、2001年(平成13年)4月以降は単独処理浄化槽の新設が原則として認められなくなりました。そのため、築年数の古い住宅ほど単独処理浄化槽が残っている可能性があります。
見分け方の目安は次のとおりです。
- 浄化槽の点検口や銘板(メーカー名・型式・処理対象人員が書かれたプレート)を確認する
- 購入時の書類、設置届、保守点検や清掃の契約書・報告書を探す
- キッチンや風呂の排水が浄化槽につながっているかを、点検業者に確認してもらう
自分で判断がつかない場合は、保守点検を委託している業者に問い合わせるのが最も確実です。種類がはっきりしない状態で売り出すと、買主の金融機関から確認を求められたときに対応が遅れてしまいます。
売却前に確認したい書類と設備
浄化槽付きの住宅を売却する前に、手元に次の書類や情報がそろっているかを確認しておきましょう。お客様(売主様)からよくご相談をいただくのが「どの書類が必要なのか分からない」という点です。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 浄化槽の型式・人槽 | 銘板や設置時の書類で、処理方式と処理対象人員を確認する |
| 保守点検の記録 | 点検の頻度、委託先の業者、直近の点検報告書の有無 |
| 清掃の記録 | 汚泥の引き出しや清掃の実施日、委託先の業者 |
| 法定検査の結果 | 毎年の水質検査の受検状況と結果通知 |
| ブロワー(送風機)などの設備 | 動作状態、交換時期、故障の有無 |
これらの記録がそろっていれば、買主に対して「きちんと維持管理されてきた設備」であることを示せます。記録が見つからない場合でも、点検業者に再発行や確認を依頼できることがあるため、売却を決めたら早めに連絡してみてください。
浄化槽付き住宅のメリットと注意点
買主の立場から見ると、浄化槽付き住宅にはメリットとデメリットの両面があります。売主様としては、買主がどこに不安を感じやすいかを知っておくと、説明の準備がしやすくなります。
買主にとってのメリット
下水道の使用料がかからないこと、下水道が未整備の地域でも水洗トイレが使えること、敷地に余裕のある土地でゆとりのある住まいを選べることなどが、メリットとして挙げられます。維持管理の費用は必要ですが、下水道の接続工事や受益者負担金が発生しない分、購入時の負担が軽くなるケースもあります。
買主にとってのデメリットと注意点
浄化槽の所有者は、保守点検・清掃・法定検査を継続して行う必要があり、毎年の維持管理費がかかります。また、ブロワーや本体が故障した場合は修理や交換の費用を負担しなければなりません。単独処理浄化槽の場合は、合併処理浄化槽への転換を求められる可能性があり、これが購入をためらう大きな理由になります。売主様は、こうした注意点を前向きに説明できるよう、維持管理の実績を整理しておくことが大切です。
転換費用と負担の考え方
単独処理浄化槽から合併処理浄化槽へ転換する場合の工事費用は、人槽、設置場所、既存槽の撤去の有無、宅内配管の状況などによって大きく変わります。金額は現地調査と見積もりを取らなければ判断できません。取手市の補助金(前述のとおり令和8年度の目安額)を使える場合でも、補助は抽選で、工事の着手前に申請することが前提です。
転換してから売るか、現況のまま売るかを判断する際は、次の点を比較します。
- 転換にかかる自己負担額と、売却価格や売却のしやすさへの影響
- 補助金の募集時期と、売却のスケジュールが合うかどうか
- 買主が自分で転換することを前提に、価格で調整する方法もあること
転換工事を済ませても、費用がそのまま売却価格に上乗せされるとは限りません。「転換してから売る」と決める前に、現況のまま売った場合の査定額と比べておくと、判断を誤りにくくなります。
現況のまま売却する場合の説明義務
浄化槽を現況のまま売却する場合、売主様が知っている設備の状態は、買主に正しく説明する必要があります。故障や不具合を知りながら伝えなかった場合、引き渡し後に買主から契約不適合責任を問われ、修補や代金の減額、損害賠償などを求められるおそれがあります。
実務では、物件状況報告書(告知書)や付帯設備表に、浄化槽の種類、直近の点検・清掃の時期、不具合の有無を記載して買主に渡すのが一般的です。売主が個人の場合は、売買契約の特約で責任を負う期間を限定することも多く、内容は契約ごとに異なります。契約書の文言は、不動産会社と一緒に確認してから署名してください。
浄化槽付き住宅の売却方法を比較
浄化槽のある家を売る方法は、大きく「仲介」と「買取」に分かれます。それぞれに向くケースが異なるため、状況に合わせて選びます。
| 項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 売却先 | 一般の買主 | 不動産会社 |
| 売却までの期間 | 買主が見つかるまで時間がかかる | 条件が合えば短期間で売却できる |
| 浄化槽の状態 | 買主への説明や、金融機関の確認が必要 | 現況のまま買い取ってもらえるケースが多い |
| 売却価格 | 市場価格に近い金額を目指せる | 仲介より低くなる傾向がある |
| 向いているケース | 時間に余裕があり、価格を重視したい | 早く現金化したい、設備の不安を残したくない |
古い単独処理浄化槽が残っている、故障の可能性がある、転換工事をする時間も費用も出したくない、といった場合は、現況のまま売れる買取が選択肢になります。ハウスドゥ 取手戸頭では、仲介と買取の両方の査定をご案内していますので、金額や条件を並べて比べることができます。
下水道が整備された場合の注意点
今は浄化槽を使っていても、将来、住宅の前面道路に公共下水道が整備されることがあります。公共下水道が使えるようになると、浄化槽から下水道へ切り替える必要が出てくる場合があり、接続工事や既存の浄化槽の撤去・埋め戻しに費用がかかります。
売却の際は、取手市の下水道整備の状況や計画を、市の下水道担当窓口で確認しておくと安心です。買主から「今後、下水道がつながる予定はありますか」と聞かれることも多く、事前に調べておけば誠実に答えられます。
空き家の浄化槽は放置しない
相続した空き家や、長く住んでいない家に浄化槽がある場合、使っていなくても維持管理の義務は続きます。管理せず放置すると、浄化槽の機能が落ち、悪臭や害虫の発生、近隣とのトラブルにつながるおそれがあります。再び使おうとしたときに、本体やブロワーの修理が必要になることもあります。
空き家の売却を考えているなら、浄化槽の状態も含めて早めに査定を受けるのがおすすめです。詳しい売却の進め方は、取手市の空き家の査定や取手市の実家売却と査定の記事で解説しています。相続した不動産の税金については相続した空き家の3,000万円控除、売却全般は古い家の売却も参考にしてください。
なお、売却して利益(譲渡所得)が出た場合、居住用の財産であれば3,000万円の特別控除が使える可能性があります。適用には要件があるため、税務署または税理士にご確認ください。
浄化槽付き住宅の売却相談はハウスドゥ 取手戸頭へ
浄化槽の転換要否や補助金の活用可否は、物件ごとの状況によって判断が分かれます。「転換してから売るべきか」「現況のまま売却できるか」で迷っている方は、ハウスドゥ 取手戸頭の無料査定でご相談ください。浄化槽の状況を踏まえた売却プランをご提案します。
よくある質問
Q. 取手市に浄化槽の設置費補助金はありますか?
A. はい、あります。取手市では「合併処理浄化槽設置費等補助金」として、下水道未整備区域を対象に、単独処理浄化槽やくみ取り便槽から合併処理浄化槽へ転換する場合などに補助を行っています。令和8年度は5人槽332,000円、7人槽414,000円、10人槽548,000円が目安額です。
Q. 補助金はどうやって申し込むのですか?先着順ですか?
A. 取手市の浄化槽設置費補助金は抽選方式で実施されています。募集期間中に申請し、応募多数の場合は抽選で交付対象者が決まります。工事着手前の申請が必須で、着手後や設置済みの浄化槽は補助の対象外になるため注意が必要です。
Q. 古い単独処理浄化槽やくみ取り便槽の撤去費用も補助されますか?
A. はい。設置費補助とは別に、既存の単独処理浄化槽の撤去費用として15万円、既存のくみ取り便槽の撤去費用として12万円の補助制度があります(令和8年度の目安額)。あわせて宅内配管工事費については上限33万円の補助があります。
Q. 浄化槽のある家を売却する際、買主に何を伝える必要がありますか?
A. 浄化槽の種類(単独処理か合併処理か)、人槽(処理能力)、保守点検・清掃・法定検査の実施状況を正確に伝えることが望ましいです。特に単独処理浄化槽は生活雑排水を処理できないため、買主が住宅ローンを利用する際に金融機関から転換を求められることがあります。
Q. 浄化槽の維持管理義務にはどのようなものがありますか?
A. 浄化槽法により、所有者には保守点検(専門業者による定期点検)、清掃(年1回以上の汚泥の引き出し)、法定検査(茨城県指定検査機関による年1回の水質検査)の3つが義務付けられています。これらを怠ると浄化槽の機能が低下し、悪臭や水質悪化の原因になります。
Q. 建築確認を伴うリフォームで浄化槽を転換する場合も補助対象になりますか?
A. 取手市の補助制度は、建築確認を伴う転換工事は対象外とされています。増改築などで建築確認が必要になるケースでは対象外となるため、事前に取手市環境対策課へ確認することをおすすめします。
Q. 浄化槽のある家は売りにくいですか?
A. 浄化槽があること自体が売却の妨げになるわけではありません。ただし、買主は維持管理費や故障時の負担を気にするため、種類や点検・清掃・法定検査の記録を整理して説明できる状態にしておくと、不安を減らせます。単独処理浄化槽の場合は、金融機関の判断で転換を求められることもあります。
Q. 浄化槽を転換してから売るのと、現況のまま売るのはどちらが得ですか?
A. 一概にどちらが得とは言えません。転換費用の自己負担額、補助金の募集時期、売却のスケジュールによって変わります。現況のままの査定額と比べたうえで判断するのがおすすめです。買取であれば、現況のまま売却できるケースが多くあります。
Q. 浄化槽の故障を伝えずに売却するとどうなりますか?
A. 知っていた不具合を伝えずに売却すると、引き渡し後に買主から契約不適合責任を問われ、修補や代金減額、損害賠償を求められるおそれがあります。物件状況報告書や付帯設備表に正直に記載することが大切です。
まとめ
取手市には浄化槽の設置費・撤去費を補助する制度があり、抽選方式かつ工事着手前の申請が必須です。浄化槽付き住宅の売却では、種類や維持管理の状況が重要なポイントになります。制度の詳細は取手市環境対策課へ、売却のご相談はハウスドゥ 取手戸頭までお気軽にお問い合わせください。
取手市の不動産売却・買取のご相談は「ハウスドゥ 取手戸頭」まで
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