「親が認知症と診断され、実家をどう売却すればいいかわからない」というご相談は、取手市内でも年々増えています。本人の判断能力が低下すると、子供であっても代理で不動産を売却することはできず、家庭裁判所での手続きが必要になります。この記事では、成年後見制度の基本と、取手市を管轄する裁判所・相談窓口の情報をまとめて解説します。

- 認知症になると実家を子供が代わりに売れない理由
- 成年後見制度を使った実家売却の流れ
- 取手市を管轄する家庭裁判所
- 居住用不動産の売却には家庭裁判所の許可が必須
- 取手市の相談窓口
- 判断能力があるうちにできる備え
- 認知症の程度で変わる|実家が売れるケースと売れないケース
- 意思能力の確認と司法書士による本人確認
- 成年後見の申立てに必要な書類と費用の目安
- 後見人はどう選ばれる?報酬と売却後も続く管理
- 家庭裁判所の許可を得るための資料と売却価格の根拠
- 売却代金は誰のもの?施設費用・介護費用の考え方
- 売却にかかる費用と税金の注意点
- 取手市で認知症の親の実家売却を進める流れとハウスドゥ 取手戸頭でできること
- 認知症の実家売却でよくあるトラブルと防ぎ方
- よくある質問
- まとめ
認知症になると実家を子供が代わりに売れない理由
不動産の売買契約は、本人が契約内容を理解し判断できることが前提です。認知症等により判断能力が売買契約を理解できないレベルまで低下すると、たとえ実の子供であっても、委任状だけで代理売却することはできません。無理に契約を進めても、後から契約の有効性が争われるリスクがあります。このような場合に利用するのが成年後見制度です。
成年後見制度を使った実家売却の流れ

- STEP1:水戸家庭裁判所 龍ケ崎支部へ後見開始の申立て
- STEP2:審判・(必要に応じて鑑定)を経て後見人が選任される
- STEP3:居住用不動産の場合は家庭裁判所の処分許可を取得
- STEP4:許可を得たうえで後見人が売買契約を締結
取手市を管轄する家庭裁判所
取手市にお住まいの方が成年後見の申立てを行う場合、水戸家庭裁判所 龍ケ崎支部が管轄です。龍ケ崎支部は取手市のほか、龍ケ崎市・牛久市・守谷市・稲敷市・稲敷郡河内町・北相馬郡利根町を管轄しています。
- 水戸家庭裁判所 龍ケ崎支部
- 所在地:〒301-0824 茨城県龍ケ崎市4918
- 電話:0297-62-0100(代表)
居住用不動産の売却には家庭裁判所の許可が必須
本人が現に居住している、または過去に居住していた自宅(居住用不動産)を後見人が売却する場合、売買契約を結ぶ前に家庭裁判所の許可(居住用不動産処分許可)を得ることが法律上必須とされています。この許可を得ずに締結した契約は無効となるため、不動産会社側もこの手続きを理解していることが重要です。許可の審査には一定の期間がかかるため、売却を急ぐ場合は早めに申立ての準備を進める必要があります。
取手市の相談窓口
取手市では、成年後見制度に関する相談を以下の窓口で受け付けています。
- 取手市成年後見サポートセンター:0297-72-0603
- 取手市 高齢福祉課:0297-74-2141(内線1325〜1327)
- 藤代庁舎 総合窓口課:0297-74-2141(内線2124)
- 地域包括支援センター:市内5か所で相談対応
判断能力があるうちにできる備え
判断能力が低下してからの法定後見の手続きは、申立てから後見人選任まで一定の時間がかかり、居住用不動産の売却許可も含めるとさらに期間を要します。将来的な実家の売却を見据えている場合は、判断能力があるうちに「任意後見契約」や「家族信託」を活用し、あらかじめ売却の権限を家族に持たせておく方法も検討できます。どちらも公正証書での契約が必要になるため、司法書士や弁護士など専門家への相談をおすすめします。
また、実家での一人暮らしが難しくなり施設への入居を検討するタイミングでも、判断能力の状態によっては同様に成年後見の手続きが必要になることがあります。取手市の地域包括支援センターでは、施設入居に関する生活相談や各種支援サービスの案内も実施しているため、まずは制度の説明を受けたいという段階でも気軽に相談できます。売却の実施時期を焦って決める前に、公的な相談窓口と不動産会社の両方に早めに声をかけておくことが、家族の負担を減らす近道です。
認知症の程度で変わる|実家が売れるケースと売れないケース
「認知症」と診断されたからといって、その瞬間にすべての不動産取引ができなくなるわけではありません。大切なのは、売買という法律行為の内容を本人が理解し、自分で判断できる意思能力があるかどうかです。軽度の段階で意思能力が認められる場合と、判断能力が不十分な場合とでは、実家売却の進め方が大きく異なります。

| 本人の状態の目安 | 実家売却の進め方 | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 軽度で意思能力が認められる | 本人が売主として売買契約を結ぶ。必要に応じて医師の診断書や司法書士の意思確認を行う | 症状は日によって変わることがあり、後から意思能力が争われるトラブルを防ぐ準備が大切 |
| 意思能力が不十分 | 成年後見制度を利用し、後見人が本人に代わって売却する | 居住用不動産は家庭裁判所の許可が必要。許可なく進めた売買は無効になるおそれがある |
| まだ判断能力がある(元気なうち) | 本人が売却を決める、または任意後見・家族信託などで備える | 将来に備えるなら、判断能力があるうちの準備が最も選択肢が広い |
どの段階にあたるかは、医師の診断や面談の内容を踏まえた個別の判断になります。ご家族だけで「まだ大丈夫」「もう無理」と決めつけず、早めに専門家へ相談することが、トラブルを防ぐいちばんの近道です。
意思能力の確認と司法書士による本人確認
不動産の売買では、売主の所有権を買主へ移す所有権移転登記を行います。この登記手続きを担当する司法書士は、売主本人と面談して本人確認と売却意思の確認を行います。ここで意思能力に疑いがあると判断されれば、売買の決済は進められません。
医師の診断書は意思能力を判断する参考資料の一つですが、診断書だけで有効・無効が決まるわけではありません。実際には、診断内容、売却に至った事情、契約当時の本人の様子など、さまざまな事情が総合的に考えられます。軽度のうちに売却を進めたい場合は、売買契約の前に医療機関で診察を受けておくと、後日の説明資料として役立つことがあります。
なお、子どもや親族が「委任状があるから代理で売れる」と考えるケースがありますが、本人に意思能力がない状態で作成した委任状は有効と認められないおそれがあります。勝手に署名や押印をして売買を進めることは、後々大きな問題に発展しかねません。
成年後見の申立てに必要な書類と費用の目安
成年後見の申立ては、本人の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行います。取手市の場合は、前述のとおり水戸家庭裁判所 龍ケ崎支部が窓口です。申立てができるのは、本人、配偶者、四親等内の親族、市区町村長などです。
申立てに使う主な書類
一般的には、申立書、本人の戸籍謄本と住民票、後見人候補者の住民票、医師の診断書(家庭裁判所の書式を使います)、本人の財産に関する資料(不動産の登記事項証明書、預貯金通帳の写し、年金額の分かる資料など)を用意します。必要書類は事案によって増減するため、申立ての前に家庭裁判所の案内で最新の内容を確認してください。
費用の考え方(目安)
| 費用の項目 | 内容の目安 |
|---|---|
| 申立手数料・登記手数料 | 収入印紙で納付。金額は裁判所の案内で確認 |
| 郵便切手 | 裁判所からの連絡用。必要額は裁判所ごとに案内される |
| 医師の診断書作成費用 | 医療機関ごとに異なる |
| 戸籍謄本・住民票などの取得費用 | 1通あたり数百円程度の手数料がかかる |
| 鑑定費用 | 裁判所が必要と判断した場合のみ。数万円程度かかることがある |
| 司法書士・弁護士への依頼費用 | 書類作成を依頼する場合。事務所ごとに異なる |
金額は制度改正や裁判所の運用で変わるため、ここでは項目の考え方のみ整理しました。具体的な金額は、申立ての直前に家庭裁判所や専門家へご確認ください。
後見人はどう選ばれる?報酬と売却後も続く管理
後見人を誰にするかは、最終的に家庭裁判所が決めます。申立ての際に子どもなどの親族を候補者として挙げることはできますが、必ずその人が選ばれるとは限りません。財産の額や内容、親族間の意見の対立などの事情によっては、司法書士・弁護士・社会福祉士などの専門職が選任されることもあります。
また、後見人には家庭裁判所が定める報酬が発生する場合があります。報酬は本人の財産から支払われ、金額は管理する財産の額や事務の内容に応じて家庭裁判所が決定します。さらに、実家を売却するという目的を果たしたあとも、後見は原則として本人が亡くなるなどするまで続き、本人の預貯金や口座の管理、収支の報告などが続きます。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 成年後見制度を使う | 本人の財産が法律に基づいて保護される。居住用不動産の売却に家庭裁判所の許可が得られれば、買主にも安心して取引してもらえる | 申立ての手間と費用がかかる。後見は原則として長く続き、報酬が発生することもある。家族が自由に財産を動かすことはできなくなる |
| 元気なうちに自分で売却する | 手続きが比較的シンプルで、本人の希望を反映しやすい | 意思能力が後から問題にならないよう、準備と記録が必要 |
制度を利用するかどうかは、実家売却だけでなく、本人の介護費用や今後の生活全体を見据えて判断することが大切です。
家庭裁判所の許可を得るための資料と売却価格の根拠
居住用不動産処分許可の申立てでは、「なぜ売却が必要なのか」と「売却条件が本人にとって適切か」が確認されます。たとえば、介護施設への入所費用や医療費を捻出するために実家を売る、空き家のまま管理が難しい、といった事情を、資料とあわせて具体的に説明します。
資料として使われることが多いのは、不動産会社の査定書、売買契約書(案)、不動産の登記事項証明書、固定資産税の評価額が分かる書類、売却代金の使い道を示す資料などです。売却価格が相場から大きく外れていないことを示すため、複数社の査定を比較しておくと説明しやすくなります。
実務では、買主が決まったあと、許可を得られることを条件とした売買契約にして、許可の審判を得てから効力が生じる形で進める場合があります。契約の進め方は後見人や裁判所、専門家に確認しながら、必ず事前に許可の見通しを立てたうえで進めましょう。

売却代金は誰のもの?施設費用・介護費用の考え方
実家の売却代金は、あくまで本人の財産です。後見人が売却した場合、代金は本人名義の口座に入金し、本人の生活費や介護費、施設入所費用などに充てます。子どもが自分の生活費や相続対策のために自由に使うことは認められません。
一方で、介護施設への入所にまとまった費用が必要で、預貯金だけでは足りないというご相談は少なくありません。実家を売却して入所費用を捻出する場合は、手続きの全体像を早めに整理し、売却代金の使い道を明確にしておくと、家庭裁判所への説明もスムーズです。親が施設に入所したあとの実家をどうするか、空き家になる前に早めに方針を決めることが、固定資産税や管理の負担を抑えるためにも大切です。
相続が絡む場合は、相続人同士の意見の食い違いも起こりがちです。実家の名義や相続の状況が複雑な場合は、共有名義のままの実家売却の注意点もあわせてご確認ください。
売却にかかる費用と税金の注意点
実家を売却するときは、仲介で売る場合の仲介手数料(成約価格が400万円を超える場合は「売買価格×3%+6万円+消費税」が上限)、売買契約書に貼る印紙代、抵当権が残っていれば抹消の登記費用などがかかります。このほか、売却で利益が出た場合は譲渡所得に対する税金も確認が必要です。
居住用の家を売った場合は、一定の要件を満たすと、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例(居住用財産の3,000万円特別控除)があります。介護施設への入所などで住まなくなった実家でも、住まなくなってからの期間や使用状況などの要件を満たせば対象となる場合がありますが、要件は細かいため、事前に税務署または税理士へ確認してください。くわしい税金の考え方は、不動産売却の消費税の記事や古い戸建ての売却の記事も参考になります。
取手市で認知症の親の実家売却を進める流れとハウスドゥ 取手戸頭でできること
取手市で実家売却を考える場合、まずは親御さんの状態を確認し、意思能力があるか、後見制度の利用が必要かを見極めます。そのうえで、取手市の相談窓口や家庭裁判所の案内を確認し、並行して不動産の査定を進めておくと、時間のロスを減らせます。
ハウスドゥ 取手戸頭では、取手市の不動産売却・買取のご相談をお受けしています。後見人が就いている場合でも、売却の相談や査定のご依頼が可能です。仲介でじっくり売る方法に加え、早く現金化したい場合は不動産買取のメリットや不動産買取の注意点をご覧のうえ、買取も比較検討できます。ご不明な点は、専門家(司法書士・弁護士・社会福祉士など)と連携しながら、状況に合った進め方をご案内します。
相続した土地の扱いに迷う場合は相続土地国庫帰属制度、農地が含まれる場合は農地の生前贈与と納税猶予、実家をきょうだいで考える場合はきょうだいの実家じまいの記事も参考にしてください。
認知症の実家売却でよくあるトラブルと防ぎ方
よくあるトラブルは、本人の意思が不明確なまま売買契約を進め、後から無効を主張される、親族間で売却の方針が食い違い、争いに発展する、売却代金の管理が不透明で信頼関係が崩れる、といったものです。これらを防ぐには、診断や面談の記録を残す、家族全員で方針を共有する、専門家に早めに相談する、といった基本対策が有効です。
「勝手に売ってしまえば早く解決する」という考えは危険です。本人の財産を守る法律上のルールを守ることが、結局は家族を守ることにつながります。
よくある質問
Q. 親が認知症になった場合、実家を子供が代わりに売却できますか?
A. 本人の判断能力が売買契約を理解できないレベルまで低下している場合、子供であっても代理で売却することはできません。売却するには家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立て、選任された後見人が本人に代わって契約手続きを行う必要があります。
Q. 成年後見の申立てはどこに行えばよいですか?
A. 取手市にお住まいの方の場合、水戸家庭裁判所 龍ケ崎支部が管轄です(茨城県龍ケ崎市4918、電話0297-62-0100)。龍ケ崎支部は取手市のほか、龍ケ崎市・牛久市・守谷市・稲敷市・河内町・利根町を管轄しています。
Q. 居住用不動産(自宅)を売却する際、特別な手続きはありますか?
A. はい。本人が居住していた(または居住する予定の)自宅を売却する場合は、後見人が売買契約を結ぶ前に、家庭裁判所の許可(居住用不動産処分許可)を得る必要があります。この許可なく売却した契約は無効となるため、必ず事前に許可を得てから手続きを進めます。
Q. 取手市には成年後見に関する相談窓口がありますか?
A. はい。取手市成年後見サポートセンター(電話0297-72-0603)のほか、高齢福祉課(電話0297-74-2141 内線1325〜1327)、藤代庁舎総合窓口課(電話0297-74-2141 内線2124)、市内5か所の地域包括支援センターで相談を受け付けています。
Q. 成年後見の申立てにはどれくらいの費用と期間がかかりますか?
A. 申立て自体の実費(収入印紙・郵便切手等)は数千円〜1万円程度ですが、本人の判断能力を確認する鑑定が必要な場合は5万円〜10万円程度の鑑定費用がかかることがあります。申立てから後見人選任までの期間は、事案にもよりますが1〜3か月程度が目安です。後見人が親族以外の専門職(弁護士・司法書士等)の場合、月額2万円〜6万円程度の報酬が本人の財産から支払われます。
Q. 認知症の症状が軽いうちにできる備えはありますか?
A. 判断能力があるうちに「任意後見契約」を結んでおく方法があります。将来判断能力が低下した際に、あらかじめ指定した人が後見人となる契約で、公正証書での作成が必要です。実家の売却も想定される場合は、判断能力が低下する前に任意後見や家族信託などの制度を検討し、早めに専門家に相談することをおすすめします。
Q. 軽度の認知症でも実家は売れますか?
軽度で、売買の内容を理解し判断できる意思能力が認められる場合は、本人が売主として売却できることがあります。ただし、症状の程度は個別に判断されるため、医師の診断や司法書士の意思確認など、事前の準備が大切です。判断に迷う場合は専門家へご相談ください。
Q. 成年後見人には子どもがなれますか?
申立ての際に子どもを後見人候補者として挙げることはできますが、最終的に誰を選任するかは家庭裁判所が決めます。財産の状況や親族間の事情によっては、司法書士や弁護士などの専門職が選ばれることもあります。
Q. 売却代金は子どもが自由に使えますか?
売却代金は本人の財産です。後見人が売却した場合は、本人の生活費・介護費・施設入所費用など、本人のために使うことが原則です。子どもの生活費などに自由に使うことはできません。
まとめ
親が認知症になった後の実家売却には、成年後見制度と家庭裁判所の許可が必要です。取手市の方は水戸家庭裁判所龍ケ崎支部が管轄となり、市内の相談窓口も複数用意されています。売却のタイミングや手続きに不安がある方は、早めにハウスドゥ 取手戸頭までご相談ください。
取手市の不動産売却・買取のご相談は「ハウスドゥ 取手戸頭」まで
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