利根町(北相馬郡)で空き家を相続された方から、必ずといってよいほどいただくご質問が「解体費用の補助は出ますか」です。今回、利根町公式ホームページを実際に確認しましたので、結論からお伝えします。
結論:利根町に空き家の解体補助金は「ありません」(2026年7月時点)
2026年7月時点で、利根町に住宅の解体(除却)費用を補助する制度は確認できませんでした。町公式ホームページの「空き家」カテゴリに掲載されているのは、空き家・空き地バンク、空き家バンク助成金、空家等対策計画(第2期)などで、解体費補助の記載はありません。
ただし、利根町には他の市町村にはあまり見られない、よくできた助成制度が2つあります。そしてその2つは、空き家を売りたい方にとって非常に大きな意味を持ちます。

制度1:空き家子育て活用促進奨励金(20万円)
中学生以下のお子さんと同居する方が、空き家バンクの物件を購入または賃借した場合に、20万円が交付される制度です。担当は役場企画課です。
対象者の要件
- 空き家を購入または賃借し、その空き家に5年以上居住する方
- 中学生以下の子どもと同居する方
- 町税等(住民税・固定資産税・都市計画税・軽自動車税・国民健康保険税)に滞納がない方
- 町内の自治会等に加入している方
- 暴力団員等でない方
空き家の要件
- 空き家バンクに登録されていること
- 登記事項証明書に表示された床面積が50平方メートル以上で、その2分の1以上が自己の居住用であること
- 建築基準法に規定する建築確認を受けている建築物であること
注意点
- 交付は先着順で、予算枠を超えると受付終了となります
- 申請できる期間は住民登録の日から3か月以内と短く設定されています
- 交付決定日から5年以内の転出・転居、町税等の滞納、住宅の取り壊しは返還事由に該当します
制度2:空き家リフォーム工事助成金(上限30万円)
空き家のリフォーム工事費用の2分の1、上限30万円が助成されます。担当は役場生活環境課(電話0297-68-2211 内線232)です。
ここが重要:所有者(売主・貸主)も対象になり得ます
対象者の要件は「空き家を購入もしくは賃借し、今後5年以上居住する意思のある方」または「空き家を5年以上賃貸する当該空き家所有者」とされています。つまり売らずに貸すという選択をする場合、所有者ご自身が助成を受けられる可能性があるということです。「売る」以外の道を検討する価値がある町です。
対象となる工事
- 基礎・土台・柱の修繕、補強工事
- 外壁・屋根・内壁・天井・床の修繕工事
- 塗装工事
- 給排水、換気、電気、ガス、通信等の設備工事
- 外壁・屋根・庇・樋の設置、修繕工事
- 間取りの変更、増築(増築面積は10平方メートル以内)等の模様替え工事
- 玄関・居室・台所・洗面所・浴室・便所の改良工事
- 建具の取替え、ベランダ・バルコニーの設置または修繕
見落としやすい条件
- 助成対象経費は「町内建築業者が行うリフォーム工事」に限られます。町外の安い業者に頼むと対象外です
- リフォーム工事の着工前に交付申請が必要です
- 申請できる期間は住民登録の日から1年以内
- 当該年度の3月21日までに完了報告書を提出できることが要件です
- 交付は先着順で、予算枠を超えると受付終了となります
- 工事施工前・施工後の現場写真の提出が必要です
【不動産会社だから書ける話】売る前に「建築確認済証」を探してください

お気づきいただけたでしょうか。利根町の2つの助成金には、まったく同じ条件が3つ共通して入っています。
- 空き家バンクに登録されていること
- 床面積が50平方メートル以上であること
- 建築基準法に規定する建築確認を受けている建築物であること
このうち3つ目が、実務でいちばん引っかかります。申請時には建築確認済証などの写しの提出が求められますが、築40年、50年の家では確認済証が見つからないことが珍しくありません。
ここで諦める必要はありません。確認済証を紛失している場合でも、特定行政庁で台帳記載事項証明書を取得できることがあります。建築確認を受けた記録が台帳に残っていれば、それを証明する書類です。
つまり、売主が売却前にこの1枚を用意できるかどうかが、そのまま買主の最大50万円(20万円+30万円)につながるということです。これは解体業者や全国対応の買取業者では手が回らない部分で、地域の不動産会社の仕事です。
もうひとつの落とし穴:この制度は「壊さないこと」が前提です
両方の助成金に、「交付決定を受けた日から5年以内に住宅を取り壊したとき」は返還事由に該当すると定められています。建て替えを前提に土地として買う方には向きません。
逆にいえば、利根町の制度は「古い家を壊さずに、直して住んでもらう」ことを町として後押しする設計になっています。売却の戦略も、これに合わせるのが得策です。
利根町で「解体してから売る」が損になりやすい3つの理由
1.解体費が全額自己負担になる
木造住宅の解体費用は、建物面積30坪程度で150万円から250万円程度が目安といわれます(構造・立地・残置物の量により大きく変動します)。利根町では補助がないため、この全額をご負担いただくことになります。
2.固定資産税が最大で約6倍になる
住宅が建つ土地には「住宅用地の特例」があり、200平方メートル以下の部分は固定資産税の課税標準が6分の1に軽減されています。建物を取り壊すとこの特例が外れます。売れるまでの期間が長引くほど負担が積み上がります。
3.2つの助成金の対象から外れる
更地には空き家バンクの助成金は適用されません。解体した瞬間に、買主にとっての最大50万円が消えます。これは価格交渉力の低下に直結します。
正しい順番は、①古家付きのまま査定を受ける → ②空き家バンク登録を含めて売り方を決める → ③それでも難しければ買取や解体を検討するです。
利根町の不動産相場の考え方(目安)
利根町は、JR成田線の布佐駅・木下駅(いずれも千葉県側)が生活圏の中心となる、千葉県との結びつきが強いエリアです。取手市や龍ケ崎市とも事情が異なるため、近隣市の坪単価をそのまま当てはめることはできません。
| エリア | 住宅地の水準(目安) | 前年比 |
|---|---|---|
| 茨城県 住宅地平均 | 34,760円/平方メートル | +1.0%(3年連続上昇) |
| 取手市 | — | +3.6%(県内では数少ない上昇エリア) |
| 我孫子市(千葉県・隣接) | 約32.3万円/坪 | +4.21% |
出典:国土交通省 地価公示(2026年)。いずれも目安であり、個別の物件価格を保証するものではありません。茨城県全体は3年連続の上昇ですが、上昇はつくばエクスプレス沿線が牽引しており、県南でも路線によって事情が大きく異なります。
利根町のエリア別の特徴
- 布川地区:役場や公共施設が集まる町の中心部です。生活利便性を重視する買主に向きます。
- もえぎ野台・押付本田周辺:計画的に整備された住宅地で、区画が整っており流通しやすいエリアです。
- 文間・文村エリア:区画が広く、農地が隣接する物件が多いエリアです。農地を含む場合は農地法の確認が必要です。
- 利根川沿い:水害ハザードの確認が売買時の重要事項になります。事前の整理が交渉をスムーズにします。
査定の種類と、利根町での選び方
| 種類 | 内容 | 期間 | 精度 |
|---|---|---|---|
| AI査定 | 住所・面積から自動算出 | 即時 | 低(目安) |
| 机上査定 | 資料と取引事例から算出 | 1〜3日 | 中 |
| 訪問査定 | 現地を確認して算出 | 1週間程度 | 高 |
| 一括査定 | 複数社へ同時依頼 | 即時〜数日 | 比較に有効 |
利根町は取引事例が限られるため、AI査定・机上査定の精度は高くありません。接道、上下水道の引込み、ハザードの状況、農地の有無で価格が変わります。訪問査定をおすすめします。
利根町の空き家を売却するまでの流れ
- ご相談・簡易査定(無料)
- 書類の確認 — ここで建築確認済証の有無を確認します。無ければ台帳記載事項証明書の取得を検討します。
- 訪問査定(1週間程度)
- 売り方の決定 — 仲介・買取・空き家バンク登録・賃貸のいずれか、または併用
- 媒介契約または売買契約 — 登記識別情報(権利証)、固定資産税納税通知書、印鑑証明書、本人確認書類など。相続物件は相続登記の完了が前提です
- 販売活動(仲介の場合・3〜6か月が目安)
- 決済・引渡し
相続登記は2024年4月から義務化され、相続を知った日から3年以内の申請が必要です。登記が済んでいないと売却できません。
仲介と買取、どちらを選ぶか
| 項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 売却価格 | 市場価格に近い | 市場価格の6〜8割が目安 |
| 期間 | 3〜6か月 | 1週間〜1か月 |
| 仲介手数料 | かかる | かからない |
| 残置物 | 片付けが必要なことが多い | そのままで可 |
| 契約不適合責任 | 売主が負う | 免責とすることが多い |
利根町で買取が向くのは、遠方にお住まいで管理できない、家財が大量に残っている、境界が不明確、相続人が複数で早く分けたいといったケースです。
売却にかかる費用と税金
仲介手数料(速算式)
売買価格が400万円を超える場合、売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税が上限です。600万円で成約した場合、600万円×3%+6万円=24万円、消費税込みで26万4,000円が上限となります。買取では仲介手数料はかかりません。
また、低廉な空家等の売買については、売主から受け取れる報酬の上限が33万円(税込)まで認められる特例があります。利根町のような価格帯では、この特例が適用される場合があります。
その他の費用
- 印紙税(売買契約書。契約金額により変動)
- 抵当権抹消登記費用(ローン残債がある場合)
- 測量・境界確定費用(境界が未確定の場合)
- 残置物の処分費用、解体費用(該当する場合)
譲渡所得税と特例
売却益が出た場合、所有期間5年超の長期譲渡所得は20.315%、5年以下の短期譲渡所得は39.63%です。使える可能性のある特例は次のとおりです。
- 居住用財産の3,000万円特別控除
- 相続空き家の3,000万円特別控除(昭和56年5月31日以前建築の家屋。買主が引渡し後に取り壊す場合も対象になり得ます)
- 取得費加算の特例(相続開始から3年10か月以内の売却)
要件は細かく定められています。適用の可否は税務署または税理士にご確認ください。
理由別に見る、利根町の空き家売却
相続した実家をどうするか
まず相続登記を完了させ、相続人全員の意向をそろえます。そのうえで3年10か月の期限を意識して動くのが基本です。
遠方に住んでいて管理できない
草木の繁茂や屋根の傷みが進むと、「管理不全空家等」として勧告を受け、固定資産税の特例が外れる可能性があります。放置がもっとも高くつく選択です。
農地付き・接道が狭い
利根町では宅地に農地が隣接する物件が少なくありません。農地は農地法の許可が必要で、そのままでは宅地として売買できません。契約前の整理が不可欠です。
離婚・住み替え・任意売却
期限が決まっているケースでは、買取による確実な現金化が有効な選択肢になります。
ハウスドゥ 取手戸頭店が利根町でお役に立てること
- 仲介と買取、両方の金額を同時にご提示します。手取りの多いほうをお選びいただけます。
- 建築確認済証の有無から確認します。買主の助成金が使える状態に整えてから売り出せます。
- 「売る」以外の選択肢もご提案します。5年以上賃貸する場合、所有者ご自身がリフォーム助成の対象になり得ます。
- 解体事業もグループで行っています。「解体して売る」と「そのまま買取」を金額で比較できます。
- ハウスドゥは全国展開のフランチャイズネットワークで、イメージキャラクターに古田敦也氏を起用しています。全国の販売網と、利根町・取手市周辺の地域情報の両方を使えます。
査定は無料です。しつこい営業は行いません。
▶あわせて読みたい:利根町の不動産売却・買取相談|相続・空き家もお任せ|ハウスドゥ 取手戸頭店
よくある質問(利根町の空き家・助成金・売却)
利根町に空き家の解体補助金はありますか?
2026年7月時点で、利根町に住宅の解体(除却)費用を補助する制度は確認できません。町公式ホームページの「空き家」ページに掲載されているのは、空き家子育て活用促進奨励金(20万円)と空き家リフォーム工事助成金(上限30万円)の2つで、いずれも解体費用は対象外です。制度は年度により変わりますので、利根町役場(0297-68-2211)へ最新の状況をご確認ください。
利根町の空き家助成金は、売主の私も使えますか?
空き家リフォーム工事助成金については、「空き家を5年以上賃貸する当該空き家所有者」も対象者に含まれています。つまり売らずに貸すという選択をする場合、所有者ご自身が工事費の2分の1・上限30万円の助成を受けられる可能性があります。一方、空き家子育て活用促進奨励金は購入または賃借した方が対象で、売主は受け取れません。
助成金には「建築確認を受けている建築物であること」という条件があると聞きました。
はい。利根町の2つの助成金は、どちらも空き家の条件として「建築基準法に規定する建築確認を受けている建築物であること」を挙げています。申請時には建築確認済証などの写しの提出が求められます。古い家では確認済証を紛失していることが少なくありませんが、その場合でも特定行政庁で台帳記載事項証明書を取得できることがあります。売却前にご確認いただくことをおすすめします。
買主が助成金を受けたあと、家を建て替えることはできますか?
注意が必要です。利根町の要綱では、交付決定を受けた日から5年以内に住宅を取り壊した場合、助成金の返還事由に該当するとされています。つまりこの制度は「壊さずに使う」ことを前提に設計されています。建て替え前提の買主には向かない制度である、という点を売却時にご説明できるかどうかで、後のトラブルが変わります。
解体して更地にしてから売ったほうがよいですか?
利根町では慎重にご検討ください。解体費の補助が無いため全額自己負担になるうえ、建物を取り壊すと固定資産税の住宅用地特例が外れ、土地の税額が最大で約6倍になります。さらに更地にすると、空き家バンクを前提とした2つの助成金の対象からも外れます。まずは古家付きのまま売れるかどうかを査定でご確認ください。
利根町の空き家は買い取ってもらえますか?
はい。ハウスドゥ 取手戸頭店では、利根町を含む取手市周辺エリアの空き家・相続物件の買取相談を承っています。家財が残ったまま、庭木が伸びたままで構いません。買取では仲介手数料がかからず、最短1週間から1か月程度での現金化が可能です。
リフォーム助成金は、どの業者に頼んでも対象になりますか?
いいえ。空き家リフォーム工事助成金の助成対象経費は「町内建築業者が行うリフォーム工事に要する経費」と定められています。町外の業者に依頼すると対象になりません。また、リフォーム工事の着工前に交付申請を行う必要があり、当該年度の3月21日までに完了報告書を提出できることも条件です。
相続した利根町の実家を売ると税金はいくらかかりますか?
売却益が出た場合、所有期間5年超で20.315%、5年以下で39.63%が課税されます。相続した空き家については「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の3,000万円特別控除」が使える場合があり、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であることなどの要件があります。適用の可否は税務署または税理士にご確認ください。



