マンションを売ろうとすると手続きや書類が専門的で難しそうと、ハードルが高いと感じてしまうかもしれません。ただ抑えるポイントさえ頭に入れておけば、意外とスムーズに対応出来ます。大まかなマンション売却の流れを5つのステップで見ていきましょう。

査定と売却業者を選ぶ

マンション売却の流れの最初は査定からです。売ると決めたら複数の業者にマンションの買取査定を受けましょう。意外と業者によって査定価格に差が出てきます。ただ価格だけで判断するのではなく、条件面なども含めてトータルで無理がない、かつ値段も納得できる業者を選ぶようにしましょう。
業者を選ぶときには契約の種類にも気をつけます。契約には一般媒介契約と専任媒介契約があります。一般媒介契約の場合は複数仲介業者と契約できて、より条件が良い業者を選ぶことができます。一方で専任ではないので細かいニーズまで広いあげてもらいにくい可能性もあります。
逆に専属媒介契約だと、その1社しか契約はできませんが、その代わりに親身になってセールスにも力を注いてもらいやすいです。
どちらが有利かはマンションの状態や立地条件などによって変わってきます。また担当スタッフとの相性もありますので、じっくり検討して利用する業者を選びます。
このタイミングで用意しておく書類としては、登記済権利証や間取り図、固定資産税納税通知書、さらにマンションの規約書は必須です。契約ですから身分証も必須です。
どの書類もすぐに交付してもらえますが、役所は平日のみなので、前もって計画をたてて取得しておきます。もし住宅ローンが残っているなら、その時点での残高証明も用意しておきます。

売り出し条件と詰めてから売却スタート

売却業者も決まり、いよいよ売り出しに移ります。このときに売値を決めます。業者のいい値だけで済ませてしまうのではなく、同じ条件の他のマンションなどの相場を知っておくと、妥当な金額で話が進められるでしょう。
また同時に売れない場合にどのくらい値段を下げるかの話もしておきます。いくらまでなら下げていいといった、最低限のラインを設けておくと良いでしょう。業者もできるだけ高く売りたいので、安易に値下げはしませんが、ずっと抱えているのもリスクです。そのため、どのタイミングで値下げするのか、またその金額も事前に詰めておくとスムーズです。
売却の営業力を発揮してもらうことがメインですが、自分で購入希望者を見つけてくることもできます。自分で募集をかけたり、知人のつてで話を広めてもらったりすることもできます。

内覧対応と契約条件の交渉

募集から見学希望者が出てきますから、同時に内覧のためにきれいに清掃をしておくことがおすすめです。見学したときに印象が変わってきますので、部屋だけではなく玄関や水回りなども整えておきます。ハウスクリーニングを入れてくれる業者もありますが、自分たちで行えることはやっておきましょう。
内覧時にマンション規約なども説明してもらうようにします。この辺りは仲介業者が行うので、希望があれば伝えます。売主が自ら行うことは少ないですが、状況の確認は定期的に行うようにして現状を把握しておきます。
購入者が出てきたら、条件面を再度確認します。価格は最初の売値であればいいのですが、売れないようなら少し下げることも視野に入れておきます。購入者が決まれば、価格面だけではなく、重要な引き渡し日も取り決めておきます。
この条件面の交渉は仲介業者を介して行うようにします。大切な契約内容になるので、きちんと専門家を入れて、記録に残すような対応をしておくことが重要です。

売買契約

実際にマンションの売買契約が成立するには、決まった方法での契約をする必要があります。実際には仲介業者が手続きを代行してくれますので、ゼロから全部を自分たちで行うことはありません。しかし必要な書類が出てきますので、もれなく用意して間違いなく記入捺印する必要があります。必要になる書類は実印、印鑑証明、さらに固定資産税評価証明書は必須です。印鑑証明は共有者がいれば全員分必要です。
また売る際には住宅ローンが残っている場合は一括返済をしなくてはなりません。ローン会社に連絡をして返済日と返済金額を確認して、あわせて完済証明書も取得しておきます。
抵当権が付いている場合も、その抹消の手続きもします。これも抹消証明の書類を取得しますが、手続きに時間を要するケースも多いので早目に動きます。なお、ほとんど場合で抹消にかかる費用は売主負担です。これで売買契約、残債処理と終わり、完全に売却となります。

引き渡し後に行う処理

実際に引き渡しが終わっても、忘れてはならない手続きがあります。それが確定申告です。売却して利益が出れば申告は必要ですし、損があれば控除対象になります。
この確定申告は売ってすぐではなく、タイミングによっては少し時間が経ってからとなる場合もあるので忘れがちです。しっかりと管理して申告するようにしましょう。この手続きはマンション売買でお世話になった仲介業者も代行しないですから、自分で行うことが多くなります。

まとめ

マンション売却の流れは業者を入れると誘導してくれるので安心です。とはいってもその業者の選び方、さらに知らないと損をしてしまうこともあるので、売主も情報を把握しておくことが大切です。
おおまかな流れを知っておけば、必要書類をいつくらいに用意しておくべきかがわかり、無駄がないスムーズなマンション売買になります。